研究資料32頁目 海蛇竜について

【名前】

 シーサーペント

【種族】

 海竜種・海獣種かいりゅうしゅ・かいじゅうしゅ

【別名】

 海蛇竜かいじゃりゅう

【生息地】

 海、特に深海など

 浅い海域で目撃される例もある

【大きさ】

 推定全長最大四〇ファルト前後

【生態・特徴】

 巨大なウミヘビのようなおそらく大型怪物モンスター

 竜種りゅうしゅでのくくりなので、本来なら頭胴長とうどうちょうで測定するのだが、肛門の位置が不明であることから、竜種では珍しく全長で表記されている。また、あまりにも巨体である為に討伐とうばつに成功したとしても、海上であることからぎ取りはもちろん、標本サンプルとして回収することも困難であることから、全体像は不明とされている

 同じような例として、他にも海王竜リヴァイアサンなどが当てはまる

 色は全体的に黒色っぽいが、光の当たり具合によっては光沢で様々な色に見える

 全体的にウミヘビのような形をしているが、首回りに複数枚のヒレがあり、あの巨体で素早く泳ぐのに役立っている

 また、縄張り争いなどではヒレを大きく広げて威嚇いかくするのにもちいるとされる

 他にもヒレは視覚や聴覚と同様の感覚器官としての役割があり、小さな水流の変化、波や音で発生する些細ささいな振動をとらえて獲物えものを探す。光の届かない深海では、視覚による探索よりもヒレでの探知が効果を発揮する

 巨体であればある程、長く生きたあかしであり、それに合わせてヒレの長さや幅、枚数が変動する

 水魔法を使い、水上での戦闘では口から水の弾を連続して撃ち出す、もしくは一本の細い線にたばねて貫通力かんつうりょくを上げたものを繰り出す。水中では、水の流れを自身に引き込むようにして捕捉ほそくした獲物をのがさないなど、攻撃よりも邪魔をすることに用いるようだ

 他の武器は、その長い巨体を生かした締め付けや、叩き付ける。強力なアゴによる噛み付きなどがある

 振動に敏感びんかんである為、標的の周囲で音魔法や衝撃魔法を使用して攪乱かくらんすることで、相手の動きを阻害そがいすることが出来る。しかし、視覚も悪くない為、一時的な妨害にしかならないと思われる。深海での戦闘であれば、その効果を十分発揮することが出来るだろうが、そもそも魚人族でない者が深海に行ったところで、何もすることが出来ずに溺死できしする未来しか見えない

 まれに、死骸しがいが波打ち際に打ち上げられることがある

 魚人族側に学者、研究者が誕生すれば水中での探査も進み、より研究がはかどると思われるが、現在のところそのような物好きには出会っていないし、いるという噂も聞いていない

【素材】

 うろこは深海の水圧にも耐えられる程の強度をほこる上、防具の素材として使うと水の魔力を付与ふよした物となり、水辺での戦闘に於いて水の抵抗をある程度緩和かんわ出来ることから、水に足をけていても機動力の低下を防ぎつつ戦闘を行うことが可能となる

 しかし、状態によっては加工までに鮮度せんどが落ちることで強度も落ちることが分かっている。更に海蛇竜は遭遇率の割に仮に討伐出来たとしても、海上であることから剥ぎ取り困難となる場合があることから、鮮度の面、剥ぎ取り困難な面と合わせて素材が出回ることはほとんどなく、高価な物となっている

 鮮度とは、素材に含まれた保有魔力の劣化れっか、もしくは消失と思われ、腐敗ふはいが進むという訳ではないらしい

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