第704話
ミューズを訪れてから早数日、プールで遊んだり観光やクエストに行ったりとまぁそれなりに充実した時間を過ごしてきた俺達はとある申請をする為にイベント会場にやって来ていた。
「かしこまりました。それでは念の為もう一度確認させて頂きます。イベントに参加なさるのは九条様とマホ様、ロイド様とソフィ様の2組でございますね。」
「えぇ、そうなんですけど……本当に大丈夫ですか?マホが参加しても。」
「はい。今回のイベントは大人からお子様まで楽しんで頂ける様になっていますのでマホ様がご参加して頂いても何も問題はございませんよ。」
「えへへ、それに何かあったらおじさんが私の事を護ってくれますもんね!」
「うふふ、そうですね。頑張って下さい、九条様。」
「あ、あはは……分かりました。それでは俺達はこれで。」
「はい、また何かありましたら何時でもお越しになって下さい。それでは。」
イベントに参加するペアの申請手続きをしてくれた職員のお姉さんに見送られつつ会場を後にした俺達は、暑い日差しが降り注いでくる青空の下を歩いて有料休憩所に戻って来るのだった。
「ふぅ、どうなる事かと思ったけど何とかなったみたいで良かったな。」
「えぇ、そうですね。もしかしたら私みたいな小さい子は参加出来ないんじゃないかって思いましたけど、これで皆さんと一緒にイベントを楽しめます!」
「あぁ、それにしてもいよいよ3日後か。一体どんな事をするんだろうね。」
「さぁな、とりあえず午後2時にあの城の前に集まれって言われたけど……」
テーマパークからレジャープールになろうとも園内のど真ん中に変わらず存在しているバカでかい城に目を向けた俺は、目の前にある飲み物をグッと飲み干した。
「うーん、あの場所で一体何をするんでしょうか?もしかしておじさんがやった様なアトラクション満載のイベントをやるとか?」
「いやぁ、それはないんじゃないか?ほら、さっき職員さんが言ってただろ。今回のイベントは大人から子供まで楽しめるってさ。それなのに、俺がやらされたみたいなそれなりに危険性のあるもんはやらせないだろ……多分。」
「私も九条さんと同意見だよ。恐らくそれなりに体を動かす必要は出てくるとは思うけれど、そこまで難しいものは用意されていないはずさ。」
「あぁ、今は何にしても考えるだけ無駄ってもんだろ。そんな事よりもとっとと遊び始めようぜ。陽射しのせいで頭がクラクラしてきたからな。」
「うん、時間が惜しい。」
「えへへ、それもそうですね!皆さん、今日は何処から行きましょうか!」
「そうだねぇ……波乗りが楽しめるプールがあるらしいからそこに行ってみようか。そして誰が一番上手に出来るか競ってみようよ。」
「分かった。」
「即答かよ……まぁ、別にそれでも良いけどな。」
「えへへ、負けませんからね!では、行きましょうか!」
「へいへい。」
マホに手を引かれて席から立ち上がった俺は、2人に目配せをしてからその場から離れて行く事になるのだった。
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