第484話
講師活動の最終日、もしかしたら何か起きるんじゃないかと若干不安に思ったりもしたがそんな予想に反して順調に授業を行う事が出来た俺達はロイドとソフィを
「ナインティアの皆さん、今日まで本当にご苦労様でした。我が学園の生徒達の為にご尽力して下さった事、心より感謝しております。」
「いえいえ、俺達の方こそ色々とお世話になりました。慣れない事ばかりでしたのでご迷惑をお掛けした結果になってなければ良いんですけども……」
「ほっほっほ、ご迷惑だなんてとんでもない。何でしたら皆さんの事を正式に教職員としてお雇いしたいと思っているぐらいですよ。」
「ははっ、どうもありがとうございます。そう言って頂けるぐらい満足して頂けたのなら良かったです。」
学園長の言葉をサラッと受け流して軽くお辞儀をしていると、俺達をここまで案内して来てくれたルゥナさんがこっちを見ながらニコリと微笑みかけてきた。
「皆さん、この後は職員室で報告会となりますが準備の方はよろしいでしょうか。」
「あぁ、私達の後の講師活動をする冒険者の為に頑張らせて貰うよ。」
「……応援してる。」
「オイ、面倒だからって俺達に丸投げしようとするんじゃない。」
「あ、あはは……で、では学園長、そろそろお時間になりますので……」
「はい、分かりました。ルゥナさん、後の事はよろしくお願い致しますね。」
「えぇ、了解しました。」
学園長にお辞儀をしたルゥナさんが静かな足取りで扉の方に向かって行った直後、俺達も彼女と同じ様に頭を下げていくのだった。
「学園長、今までありがとうございました。非常に名残惜しい気持ちはありますが、そろそろ失礼させて頂きます。」
「はい、
そんな別れの挨拶を交わしてから学園長の前を歩き去ってルゥナさんと廊下に出た俺は、軽いストレッチをしながら大きく息を吸い込んだ。
「ふぅ……何と言うか、これでようやく終わりが見えてきたって感じがするな。」
「ふふっ、良かったね九条さん。後はオレットの取材に付き合えば私達のクエストは無事に終了だ。」
「……それなんだけどさ、今日する取材の内容……オレットさんから聞いたか?」
「いや、昼休みに聞いてはみたが教えてはくれなかったね。」
「やっぱりそうか……あの、ルゥナさんはオレットさんの取材内容について知ってるんですよね?もし良かったら少しだけで良いんで聞かせて欲しいんですけど……」
「す、すみません……実はオレットさんに口止めをされてしまっていて……それに、取材の内容を皆さんに喋ったら私の事を記事にすると……その……」
「わ、分かりました!教えてくれなくても大丈夫です!………はぁ………」
(ご主人様、そんなにため息ばかり零していると幸せが逃げて行っちゃいますよ!)
(いや、そうは言うけどさぁ……)
(ほら、シャキッとして下さい!この後は先生方と会ってお話をするんですからね!)
(はいはい、分かりましたよ……)
どうにも拭いきれない不安に再び襲われながら気合を入れなおした俺は、職員室に足を運ぶとこれまで行ってきた講師活動を通じて感じた事や気を付けた方が良い点についての報告をしていくのだった。
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