あとがき
まずは、ここまで読んで下さった方々に心からの謝辞を。
長い長いアコの旅路に、最後まで付き合ってくださり、深く感謝するものです。
あとがきから読む方は…ネタバレでよろしければ、このままお付き合いください。
それにしても…いつもいつもいつもいっつも!あとがきには書いているけれど…いやまさか、当初の想定の、二十倍もの量になるとは思いませんでした。
最初、書いてる作品のどれもこれも読まれることが少なくて嘆いていたならば、「流行り物を書くのも一つの手」という助言を頂き、「流行り物…異世界転移かしら」と安直に考えたら、こうなった。
なお、それによって本作が広く人口に膾炙される作品になったかどーかは…お察しください(泣笑
書き始めて公開した頃は、実は異世界に紛れ込んだ主人公(アコ)が、現地で出会ったオモロイひとらと一緒に珍道中を繰り広げるだけ、という話で、ラストもなんかに巻き込まれて助かったー、みたいな締めで終えるつもりだったものですが…いや、本当にどうしてこうなった。
なので、魔獣やら聖精石やら未世の間やら、世界の仕組みにまつわるあれやこれやは無論のこと、ガルベルグやアコの正体についても、大分書き進めてから考えたものなのです。つまり、異世界転移のつもりで書いたら実は転移してなかったという。なんてこったい。
そのため、設定についてはブレまくりもいいところ。それが重要という話でもないので、致命的な問題ではないけれど…もう少し伏線としてうまいこと活用できたのになあ、という気はします。もし機会があったら最初から書き直したい。んな機会があるとは思えんケド。
以下、思うところなど少々。
アコの正体に関しては、日本から紛れ込んだ女子高生ではなく第三魔獣だった、という設定に転換したのは、ほとんど偶然の産物です。
第74話でのバギスカリの今際の際に吐き捨てた、吾子の生まれた世界など妄想の産物だ、という一言で。
これでふと、吾子の正体は魔獣だった、という方が話面白いんじゃないだろーか、と思ったのがきっかけ。全く、バギスカリ君も良い言葉を残したものです。功績に鑑みて再登場させてあげました。
で、吾子が魔獣でした、という筋が通ったおかげでラストの形が決まり、あとはアプロやこの世界との絆を深めていく方に話を進めていけばよくなったのですが…ここからが、長かった。
とにかく世界設定などなーんにも考えずに書き始めたものだから。
一番酷いのが、吾子が裁縫の技術で魔獣の穴を塞ぐ、という任務。コレ、異世界で戦う術も何も無い女子高生が、どーすりゃ武闘派パーティの中で戦いに参加する地位を得られるか悩んだ末に仕立て上げたもので、それも吾子の趣味がパッチワークだった、というなんとなく書いた一文で思いついただけだったという、有様。ちなみに、第3話の時点でこの設定は影も形も無かった。
いやもう、考え無しってコワイですねー(
あと、基本的に自分はバトル描写、それも異能が絡むと特に、得意とは言えないので、かなり端折ったというかアコの口車で誤魔化した面が強いです。そこらはまだ修行が必要…というか、書き直す機会があれば、もっとタマシイ込めたい部分ですねえ。
アコが魔獣だった(ラストで、石に取り付いた幻想種だった、ということになったけど)、という設定は、この物語にとってはコペルニクス的転回でした。
具体的には終盤の展開が見通せるようになった効果がありますが、他に、アプロの生い立ちを搦めて、最後に二人が幸せになれるような伏線をいろいろと仕込めたことが、幸いでした。特にラストとアコが結ばれた後に、アコに「ママ」と呼ばせて悦に入るアプロ、という場面は、エピローグでアプロの子としてアコが転生する結末の伏線として、その頃から仕込んでいたものです。
我ながらこれは上手いこといった!…と、思えるのは、百合…ぶっちゃけて言えば女性の同性愛という関係性を消化出来たから、ですね。
これが男同士だったらまず出産は無理だし、主人公が男でヒロインの子供に転生…うーむ、何か生々しくてイヤだ(笑
そういうわけなので、ちょうどうまい具合にファンタジー入って、いい感じだった…と、作者の感覚としては、思うものです。まあこれでも駄目って方はいると思いますが。
あとはなー…話や設定を構築するトコが曖昧だったから仕方ない面もあるんだけど…ガルベルグの存在感がいまいちだったのが、なんとも悔やまれます。
魔王とかいっても直接世界を滅ぼすほどの力があるわけでもないしぃ。いや、やろうと思えば出来たけれど、主人公のキャラとか話の雰囲気的に、ひとがドカドカ死にまくる展開って作れなかったもので。
他にも、第三魔獣の連中をもっと出して話に絡ませれば話の深みも増しただろーに、あああああ本当に書き直したいとこがいっぱいあって困る…。
ともあれ百万余字をつぎ込み、なんとか完結には持ち込みました。
エタるのはほんっとーにイヤなので、「fin」と刻めたのは…誰も褒めてくれないから自分で褒めておこ。
次回作というか、ぼちぼち書いている百合中短編集「はいぱー・りりかる・がーるず」もどうぞよろしくといいつつ、一年くらい放置してるのもあるので、そろそろ再開しないと。書く時間が無かったものを、本作が終わったので、手も掛けられるようになったことだし。
さて、愚痴は尽きませんが、頃合いと存じます。
で、ひとつお願いが…………できたら、☆…つけてつかぁさい……今まで何本か書いてきましたが、本作の25コ(あとがき執筆時点)が最大なのです…励みにしますので、何卒。
それでは、長々とお付き合い頂き、大変ありがとうございました。
別作でもお目にかかれれば幸いです。
女勇者さまと、わたし。 河藤十無 @Katoh_Tohmu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます