第101話 「100話」
なんて俺が感動していると、タマさんに気が付いたのか隠れていたにゃんこ達がワラワラと姿を見せる。
「タマだニャ」
「本当だニャ」
おほぉ……やっぱ語尾はニャなのね。素晴らしい。
大きさは大体皆タマさんと同じぐらい……タマさんの方が全体的にもっちりしてるけど。
柄はみんなバラバラだね、この変は普通の猫と同じようだ。
あ、でも尻尾は長いのしかいないっぽい?
「お……お、おぉ……」
ぐふふ。
皆集まってきたから密度がすごい。
あの中に埋もれてしまいたい……。
ああ、でもダメダメ。
下手に手をだすと嫌われてしまう、耐えるんだ俺!
「あの人間は何ニャ?」
「タマの連れかニャ?」
「なんで拝んでるニャ」
いやもう嬉しすぎて拝んでしまった。
本当にここは天国なのではないだろうか……この、なんだこいつ? 見たいな視線がたまりませぬな。ハハハ。
「前に来てからあまり経ってないけど、何かあったのかニャー?」
にゃんこ達はとりあえず俺のことはスルーする事にしたようだ。
1匹がタマさんに近寄り、声を掛ける。
「ニャ。 醤油と味噌を補充しにきたニャ。 ウッドが……そいつニャ。 ウッドが使いまくったからニャ」
ごめんなさいっ!
美味しかったんでつい……。
「変わった人間だニャ」
「変なやつニャー」
「変態ニャ」
タマさんの言葉を聞いて、再び俺に興味が移ったようだ。
俺のほうを見たにゃんこ達が珍獣でも見るような目で俺を見てくる……変態ではありません。
醤油とかお味噌が好きな人って珍しいのかね? タマさんの故郷で作ってると聞いて、貴重だから街で使う人はいないのかなーと思ってたけど、このにゃんこさんの言い方だとニュアンスが違う気がする。
好んで使うのは珍しいとかそんなの。
美味しいのにねー。
「まあいいニャ。 とりあえず街に行くニャ。 そこの人間もタマの連れなら入っていいニャー」
「ありがてえありがてえ」
おっしゃ。 街に入る許可がでたぞー!
にゃんこ達の先導に……尻尾がふりふり振れてやばい。
この光景を見れただけでも来たかいがあったと言うものだね!
「おぉ……」
街はまさかの地下に存在してました。
縦穴に飛び込んだかと思うと、その先にはかなり広い街が広がっていたのである。
地下なのに明るいのは天井に吊り下げられたいくつもの光源のおかげだろう。
ってか天井高いなこれ!
「ちょっと知り合いに挨拶してくるニャ。 ウッドはこのへんで時間潰しててニャー」
「おー」
俺がその光景にぼへーっと口を開けて眺めていたら、タマさんさっさとどこかに行ってしまった。
ううむ……どうしよう、そのへんで時間潰してといってもあまりうろついて迷子になってもなあ。
……ここはやっぱあれだよね。
「……絶対変なことはしちゃだめニャ」
「しないしない!」
行ったと思ったタマさんがまだ居たぞ!
ええ、もちろん。決して変なことはしませんとも。ふふふ。
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