城を出る魔王

魔王の城、玉座の間、玉座に座るジャージ姿の魔王は、何やら真面目な表情で顎に手を当てる。


ただならぬ様子の魔王を、メイドのカナリアは心配そうに見つめていた。


「良し、決めた。」


しばし続いた沈黙、それを破ったのは魔王の少年だった。


魔王は何かを決意したように頷くと、玉座から立ち上がりカナリアの方を見た。


「今から城を出る。」


「お…城を…ですか?」


「ああ、そんで適当な街でギルド登録して、今後は冒険者として生きて行こうと思う。」


「いい…と、思います。でも…な…ぜ、冒険…者に?」


「それは……。」


「そ…れは…?」


「いや、実はさ、勇者が目覚めたって皆んな怯えてたけど、そう言えば俺勇者の事何も知らないなって思ってさ、勇者アルカトラズの事を自分なりに色々調べてみたんだよ、具体的には伝説や逸話なんかが書かれた書物を読み漁って見たんだけど。それでさ、思ったんだよ…」


「何を…ですか…?」


「俺も冒険がしてみたい。」


「え…えぇ……?」


その日……魔王は勇者に憧れた…。


next story 【冒険者になる魔王】

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ホシノ英雄 鳥の音 @Noizu0

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