第214話現幻、街燈の翳のざわめき、

現幻、街燈の翳のざわめき、

うねりは粗く耳触りな私の傍らに


迂回路で躊躇う乳飲み子を抱いた奥方

薄ら眼の奥の赤子が塒(ねぐら)を求め

平をかざす、


あけすけに身軽な私には

血肉削ぎ落とし首に手架け。

それでも空を架け翔ぶ夢に溺れる


深夜の竹林に朱き雫星が失墜す

幽魂は光を零し境界を超える

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