末端価格いくらの薬草
僕は乗車券と指定座席を発券機でクレジットカード購入した。まだクレジットカードが使えるのか、と僕は感心した。
席は窓側の席だ。景色を眺めながら旅行もいいだろう。一年ぶりの遠出に僕の期待が膨らむ。
せっかくなので、ビールと何かツマミを買って行こう。
売店に行くと「道具屋」と書いてある。なんだ? 道具屋って。
「いらっしゃい…あんた、アスタルテと戦うんだって? へへ…なら薬草は必要だな」
骨と皮だけの眼の焦点があってない店員が話しかけてきた。なんの草かわからない物を見せられても困る。
だが、災害時、ガーゼや消毒液、痛み止めと言った医療道具は真っ先に無くなると聞いている。そのような草に頼らざるを得ないほど今の日本は崩壊しているのだろうか。
いや、それよりも僕はビールとツマミを探しているのだ。なぞの草の購入は丁重に断った。
「へへ…強気だね…あんた。この薬草は末端価格」
ストップ。それは薬草ではない。何て危ない物を売っているのだ。そんなものを摂取したら、僕の優れたフィジカルにダメージを与えてしまう。
それに、僕の体はナチュラルメイキングだ。クレアチンは使ったけど、筋肉増強剤なんて使ってない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます