食べながら話さない事はえらい
「(モグモグモグモグゴクリ)エルフごっこ楽しい!」
「(モッゴモッゴモッゴモッゴゴクン)知らない?オーイ姉ちゃんとモリー姉ちゃん?」
「(モニャモニャモニャモニャ コック)ご本のエルフみたいに木の上をピョンピョンするです。
落ちたら海の中でダメです。だから気を付けてピョンピョンするです。」
「落ちて溺れちゃったらゾンビエルフになって助けエルフは紐で引っぱるの!助けるの!」
朝食は少量の雑穀と木の実を粉にして練ったパンもどきに少量の肉ときのこを挟んだサンドイッチ。
子ども達の持ち寄ったものもキノコや肉の種類が違うが料理名で定義するのなら同じサンドイッチになる。
「ん-、私の頃はそんな遊びしてなかったなぁ。私がちっさい頃は村に来てたお客さんに遊んで貰ってた。
なんか商人の人に色々妙なもの貰って遊んでた。今考えるとアレ、売れ残りだったんだろうな……」
「つまり、木に登って枝から枝へ飛び移る遊びで、落ちたら縄で引っ張り上げてもらうという事でよろしいですか?
ちょっと、失礼いたします。」
いち早くサンドイッチを食べ終えていたシェリー君が用意していた紙に絵を描く。
「こういう遊びですか?」
素早くペンで森を跳び回り、落ちた子どもをロープで助ける絵を描く。
「おー、うまい。」
「コレ!コレ!エルフごっこ!」
「学校で教えてもらうんです?どうやったら絵が上手になるんです?教えてもらえます?」
「上手です。凄いです。お絵描き先生です。」
食べる手が止まって食い入る様に絵に噛り付く。
似顔絵の作成や説明の図解、更に特定の魔法使用時 や錯視錯覚の理解に役立つからと絵画について指導をしておいた。
私は芸術家ではないが、玄人程度を騙す贋作を作る程度なら一かけらのケーキを食べながら作成可能だ。
「では、エルフごっこはいつやっていますか?朝?お昼?それとも暗くなる前ですか?」
「朝!」
「お昼です?」
「暗くなったらうちに帰るです。それはお約束です。」
「そこは守るんだ……。
って、もうなんか会議始まってない?あと私もこの軍団に入ってる感じ?」
「そうなりそうですね。
では、皆さんはエルフごっこを毎日やっていますか?」
「違うよ!」
「飽きたらやらないですよ?」
「でもいっぱいやってるです。楽しいことないです。だからたっくさんやってるです。」
「では、その時に怪物は見ましたか?」
「ない!」「怪物、どこにいるの?」「一度も見た事がないですよ。」
「変なものや面白いものは見ましたか?」
サンドイッチを口にしていた子ども達は喋らずに首を横に振った。
「怪物は見た事が無い…という訳ですか。」
「「「ごちそうさま!」」」
「やー、賑やかだった。ウチ、両親が出稼ぎ中だから爺さんと二人で食ってるからあんまりこーゆー感じの食事って無いんだよね。割と面白い。」
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