駆け出しニューマンは二度驚く(一度目 続)
草むらを抜けると、道の真ん中に捕り物の成果が広がっていた。
俺達を虐げていた忌々しい盗賊連中が縛られて地面に転がされていた。しかも、割とボコボコになって。
よっしゃ!
心の中で拳を握ってガッツポーズ。捕まった連中の一部がコッチを睨んでるから心の中だけで済ませておく。
その周囲には首輪をされた盗賊の奴隷と、あの妙な厚い剣を携えた警備官が忙しそうに動き回っていた。
「一人、追加していいかなぁ?コイツ、警備官に化けてたから気を付けて欲しいなぁ。他に紛れ込んでるかもしれないなぁ!」
後ろから草むらをかき分けて、警備官に化けていた盗賊を引き摺ったあの男が現れた。
『MMの幹部』と名乗る彼は何者だ?話を聞く限りどうも盗賊団に入り込んでいた
じゃぁ、何処かの商人…にしてもおかしいか。この男はここで今日盗賊達が仕事をする事を警備官にリークしていた。多分グルだ。
警備官と手を組める様な商人。動員している頭数を考えると相当力がないと出来ない。
本当に何者だ?
「あ、そこの灰色の髪のヤツ、首輪してるけど幹部だからさっさと取り押さえて欲しいなぁ。」
呑気にそう言いながら後ろから指をさす。
指先を見てみると、確かに前に馬車に乗って威張っていたヤツの中に同じような顔をしたヤツがいた気がする。
それを聞いた当の本人は顔色を変えて周囲に居た本物の
「御用だ。」
後ろから音も無くやって来た大男が例の分厚い剣で逃げようとしていた男の首筋を撫でると、あっという間に崩れ落ちた。
「全員に告げる。各自4人以上で集まって合言葉を確認。化けているヤツを炙り出せ。」
大男は慣れた手つきで気絶させた男を縛り上げて大声でそう告げた。
あちこちで抜剣した警備官達が集まって騒ぎ始めた。
「隊長の奥さんは?」「ボンノー隊長の娘!」「え……」「捕まえろコイツだ!」「グレートチャーミングでスーパークール、パーフェクトなんて飛び越えたハイパーワイフさんだ。」「はい正解!」「グレートチャーミングでスーパークール、パーフェクトなんて飛び越えたハイパーワイフさんだ。」「違う!」「クソッ!なんでだよ。」「ラブリーアイにメロメロ、キューティースマイルにクラっと、行動一つ一つに魅力と愛らしさが詰まった天使が嫉妬するようなスイートドーターさんだろ?知ってるさ。」
……………なんだこれ?
あちこちで変な呪文が飛び交い、何人かが他の奴等から袋叩きに……あ、変身が解けてる。盗賊だ。
………………それはそれとして、なんだこれ?
「おぉ、潜入ご苦労。お前達も合言葉に加われ。知ってるだろ?」
さっき気絶をさせていた大男がこっちにやってきた。
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