If?:気まぐれで変わった破落戸達の最後の悪夢21
街の方々、私がお手伝いをしていた方々が、『私が何かを探していて』、しかもそれが、『マキナージの魔道具』であり、それが『市場に出回っている可能性が有る』……という事を聞きつけ、何と、私の探しているものを皆さん総出で探して下さったのです!
そして、探し物は見付かり、私が攫われている間に皆さんで私の為にと買ってくれた上に、更に!更にですよ!私の両親に届けて下さったのですよ!
と、いう事で、両親の誕生日は私が最高のサプライズプレゼントを用意して、両親は大喜び。
幸せなまま、両親に心配をかける事無く、誕生日が過ぎ去っていったのでした。
そして………………………………………………………
後日、偶然にも、私は恩人を見付ける事が出来たのです。
「私にお礼をさせて下さい!」
頑として、揺るぎ無き思いと共に私は伝えました。
陽光は私を照らし、温かな光と共に私に力をくれるように感じました。
「駄目だ。ふざけるな。」
しかし、相手は影の中から出る事は無く、相も変わらず私を遠ざけようとする。
「あなた達が私を救ってくれたからこそ、私は両親の生誕を祝う事が出来ました。
あなた達があの場所で気まぐれを起こして止めてくれたから、私はこうして今、陽の光を浴びる事が出来ています。
貴方達は命の恩人。
で、あれば、私は貴方達に私の出来る限りの事をして、その返礼をせねばなりません。」
『私の約束』
誰かとの約束……と言う訳ではなく、私が私と結んだ約束。
自分の誇りと名誉、尊厳に誓った約束。
法律とは違って罰則は無いですが、私が許さない限り、決して破る事の出来ない約束。
『優しさには優しさで返礼しなさい。』
というもの。
それが私の約束。
失礼ですが、彼らの様子を見て思いました。
彼らには清潔な衣服、栄養のある温かい食事、雨風を凌ぐ家が必要だと。
先ずは健康で文化的な生活をせねば!
「オイオイ、コレ、諦めた方が良いんじゃ無いか?」
「まぁ、損が無いならいいんでねーの?」
「駄目だ。
おい、ガキ、二度と俺達の前に近寄るな!」
そう言って陰の中で議論が交わされようとして、中断。
私の前から恩人達は去ろうとしたのですが…………
「是非御礼をさせて下さい。」
「だぁ!何でここに居る!?」
十分と経たない内に、私の前にはまたしても恩人が現れました。
嘘です。私が見付け出しただけです。
以前、父から頂いたこの都市の細部まで描かれた地図。それを使わせて頂きました。
それを用い、私が彼らと出会った場所を中心に、多人数が動きやすいルートを計算し、後は表の通りからその近辺を探して…見付けたという訳です。
環境は変わっても、建造物や道はあまり変わりませんからね。
今の私に裏通りを歩いて探す事は出来ませんから、せめてもの抵抗をさせて頂きました。
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