第94話 サヨナラ
ふわふわ揺れる灯り
やわらかな部屋の空気
笑いさざめく声と
懐かしいいくつもの影
その温かさがひどく
胸に刺さる気がして
そっと当てた掌を
染めるぬるい赤
サヨナラ
この場所を去ることが
こんなに痛いなんて
思ってもみなかった
いや、たぶん知らんぷりしてた
サヨナラ
流れ続ける赤は
腕をつたい体を流れ
やがて足下まで赤く染めて
でもそのぬくもりを
このまま抱いていくんだろう
きっと、いつまでも
サヨナラ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます