第50話 帰り道


銀杏並木の金色が夜の街灯に滲んで

更けていく時間が濃密な気配を纏う


雨上がりの帰り道


道行く人影もまばらで


踏みしめる葉の音が妙に耳に響くのは

きっとこの夜に独りだから

足下に伸びる影もみんな孤独で

虚空にそっと手を差しのべる


広がるのは深く青い闇


絡み付く夜の中ほっと息をついて

見上げた空

進む飛行機がやけに寂しく見えた




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