第45話 跳ねる、水音

目を覚ますと

そこはゆらめく波間

遠くから差し込む

光が眩しくて

乱反射するそれを

ぼんやり眺める


ただ無音の世界


手を伸ばすことも

ひどく億劫で

ゆるい流れに揺蕩う

無力な身体

もて余しながら見る

小さな空気の粒が

まるで宝石みたいだから


…コワシテシマイタクナル


いつからここにいるのか

なぜここにいるのか

何も分からずに

そっと瞼を閉じる


たぶん知ることはない

現実を殺せば

そこに再び広がる

無音の世界の中


跳ねる水音を聞いた

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