第43話 夜と月、そして野良猫

禍々しい夕焼けと

突き刺さる雨との間で

進むべき道はどちらかと

なけなしの運に問いかけ

ニヤリ嗤う月にかかった

薄い雲に導かれ

ふわふわ進む足下に

一匹の野良猫


この道はあっているのかと

不安げに目をやれば

勝ち誇ったその顔が

テメェで決めろと悪態をつく

それならばと深く

大きくひとつ息をつけば

灰色の雲が晴れて

滲んだ月が笑った


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