第39話 夢の行方

どこへ行くというんだ

散り散りに吹き飛ばされてく若き夢や

あの頃確かにこの手にあった

いわば情熱みたいなもの


この目の前から姿を消して

知らないうちに風化する

そしてそんな一連の流れを遠くから

訳知り顔で見ているなんて


私は別にそんな化石みたいな

カラカラの脱け殻を思い出にしたくはなくて

ただ明日と言うものが

光輝いて見えていた日々を

まだこの胸に抱いていたいのだ

性懲りもなく


そしていつの日か

夢が現実の中で立ち行かなくなった日は

潔くこの手のナイフで

その存在を葬ってやればいい


だからもう少し

もう少しだけでいいから

生々しい夢という生き物の手綱を

この手で握っていたいのだ

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