第26話 白

真っ白に広がる空に

白い雲がぽつぽつ浮かび

なんとなく吹く風に

ゆるゆる流れて白い道を作った


空の白は徐々に広がって

どんどん地へと降りてくる

そしていつの間にかこの

不安定な足下さえ埋めつくし

すべては白に覆われた


ねえ知ってる?

純粋とか清潔とか

穢れのないはずの白は

本当は何もないってことだって


真っ白な虚無に包まれて

私はただ生きている

何もない中でただ一人

真っ白な呼吸を繰り返す

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