第26話 直に見えるぱんつよりもストッキング越しのぱんつの方が、断然エロく見えるのはなぜだろうか

 お屋敷に帰る途中にある土手を歩いていると芝の上で丸くなり、猫のように日向ぼっこしている愛理沙ちゃんを発見した。


 服装はいつもの漆黒のゴズロリに、黒薔薇のついたカチューシャがその魅力をいっそう引き立てている。


 今日は珍しくストッキングを履いているようだ。


 それが白だったらもっといいが、黒色だった。


 艶っぽいというか、大人っぽい色なのが少し残念だ。


 ぐっすりと気持ちよさそうに眠る姿を見て、俺の悪戯いたずら心に火がつく。


 運が良いことに、濡れていないダンボールが足元に落ちていた。


 それを愛理沙ちゃんの下に敷き、足を揃えて、肩を押す。


 ダンボール滑りと言うヤツだ。


 予想以上にスピードが出て、愛理沙ちゃんのカラダがフワっと中に浮かんで、芝生の上をコロコロと転がり、心配したけれど。


「スヤスヤスヤ」


 どうやらこの程度で動じる人間ではないらしい。


 しかし、これで起きないとなると、かなりの荒療治になるな。


 俺は通学カバンから『こちょこちょ棒』を取り出し、愛理沙ちゃんの鼻を刺激した。


 くしゃみがでれば、さすがに起きるよな。


 もし、これで起きなかったら、お手上げだけどな。


 苦しそうに顔を歪めて、寝返りをうち。


 その反動でスカートがめくれ、小さなお尻を包んでいる三角形の布地がはっきりと見えた。


 黒ストッキングを穿いていてもわかるほど、見事な純白のパンツだった。


 じかに見えるぱんつよりもストッキング越しのぱんつの方が、断然エロく見えるのはなぜだろうか?


 それは好事家の間では、何年も議論されてきたが……いまだに答えは出ていない。


 おっと、いけないそんな不埒ふらちなことを考えている場合じゃなかったんだった。


 俺は慌ててスカートの裾を直そうとしたら。


 愛理沙ちゃんは俺の首を脚でしっかりロックし、完璧な寝技を決めてきた。


 俺のカラダと愛理沙ちゃんのカラダが密着する。


 なんか色々とヤバイ状況になってしまった。


 今、目を覚ましたら、確実に殺されるな……俺……。


 なんとか自力で抜け出せないかと、頑張ってみたけれどダメだった。


「愛理沙ちゃん、お願い起きて!?

 さすがに息が苦しくなってきたよ。

 お願い起きて、起きてよ。

 愛理沙ちゃん、そろそろ起きないと風邪ひいちゃうよ」


 俺は一縷の望みにかけて、声をかけ続ける。


 そのかいもあったのか、拘束が少しだけ緩んだ気がする。


 あともう一押しだな。


「早く起きないとその貧相な胸を揉んじゃうよ」


「もう、うるさいなっ。

 誰の胸が、貧相だって……ムニャムニャ……」


 脚の拘束は緩んだけど今度は、その残念すぎる胸を押し付けてきた。


 そう以上にツルペタな胸に、興奮してしまった。


 この枕に顔を埋めているような真っ平らで心地よい弾力。


 貧乳も意外と悪くないかもしれないな。


「貧乳最高」


 思わず叫んでいた。


「だから……ムニャムニャ……さっきから、貧乳、貧乳……うるさいな……」


 今度は顔面に蹴りがとんできた。


 いくらなんでも寝相……悪すぎだろう……実は起きてるんじゃないのか。


 俺は痛むカラダを何とか起こして、愛理沙ちゃんの顔を覗き込むと、スヤスヤと寝息をたてていた。


 やっぱり寝ているよな。


 そう、思った。


 次の瞬間。


 愛理沙ちゃんの目がパッチリと開いた。


 彼女は少々ツリ目だが澄んだ優しい瞳をしており、端整な顔立ちで絵に描いたように美しく。


 目と目が合う。


 しかもキスができそうな超至近距離で……だ。


「そんなにマジマジと、見られたら恥ずかしいです」


 予想以上に可愛らしい声が発せられ、頬を朱色に染めて恥ずかしがっていた。


 どうやらまだ寝ぼけていて、本調子じゃないみたいだな。


 良かった。


「おい、どこに行くつもりじゃ。

 変態ロリ野郎!? ヒトの寝込みを襲っておいて、タダで帰ると思わぬことじゃ」


「暴力での解決は……」


「問答無用じゃ」


「ひぇえええぇええっ」


 俺の悲鳴が辺りに虚しく木霊するのだった。


 最終的には愛理沙ちゃんの大好物である『今川焼』をおごることで許してもらったわけだが……めっちゃくっちゃ痛い出費だったのは言うまでもないことだ。


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