第81話 ぜんしん

 吾輩はネコである。

 名前はちび太。



「いつも感想ありがとうございます。ここは主人公の一番の見せ場で~」


 最近のご主人様は、朝起きてすぐに小説についた感想やスタンプに返信するのが日課となっていた。


 まだ数こそ少ないものの、「いもうと」以外からもコンスタントに感想がつくようになったのだ。


 読まれた数(PV)も日に日に増えていっていた。


「うれしい感想ありがとうございます! 頑張ります! これからも応援よろしくお願いします!」


 そしてその一つ一つに、ご主人様は律義にコメントを返すのだ。


 ツイッターでも、いいねやリツイートをされることが増え、そのお礼などもあって執筆以外にもやることが増えてきたご主人様は必然、今までのように暇に飽かせて吾輩にかまってばかりはいられなくなり。


 今日も今日とて、あわただしい朝を過ごしたご主人様は、お皿にカリカリを入れて吾輩を軽くひと撫ですると、駆け足で仕事へと出向いていったのだった。


 ご主人様が一歩ずつ前へと進んでいることが嬉しい反面、少し寂しくもある吾輩なのだった。 

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