第27話 おこげ
吾輩はネコである。
名前はちび太。
ガリッガリッ……ガリッガリッ……
ご主人様が室内に響かせるガリガリという音。
「これくらいで、いけるかな……」
なにをしていたかというと、朝ごはんのパンを焦がしてしまいナイフで「おこげ」を削っていたのだった。
なにせご主人様ときたら、
「いい展開が思いついた!」
唐突にそう言っては、今やっていることを投げ出して執筆したりメモをとったりしはじめるのだ。
「朝起きた直後はインスピレーションがバンバンくる!」のだそうで、特に朝のパンを焦がすのはご主人様にとって日常茶飯事なのだった。
もちろん捨てるという選択肢は存在しない。
ご主人様にはあまりお金の余裕がないのであるからして。
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