第26話 たいたにっく

 吾輩はネコである。

 名前はちび太。



「今日は風がいい感じに強いな……よし、あれ、やるか!」


 ご主人様が窓を開けると、少し冷たい風が吾輩のところまで吹き込んでくる。


 そしてご主人様はというと、両手を広げてただひたすらに風を感じ始めた。


 一体なにをしているのかというと、


「やっぱタイタニックごっこはテンションあがるな! 創作意欲がモリモリ湧いてくる!」


 なんでも昔の有名な映画の真似らしかった。


「にゃー、ふぁー、うぇあえーばー、ゆーあー」


 いつの間にか英語のテーマ曲なんぞも口ずさんでいる。


 しばらくノリノリで風を感じたあと、執筆活動を再開したご主人様。


 そして少し身体が冷えた吾輩は、暖をとりにご主人様の膝の上へとちょこんととび乗ったのだった。

 猫という生き物はとかく寒がりなのであるからして。

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