第25話 れびゅー(いもうと4)
吾輩はネコである。
名前はちび太。
「お兄ちゃん、執筆の調子はどう?」
今日は「いもうと」が遊びに来ていた。
今日「も」と言った方がいいかもしれない。
「順調も順調。今もちょうどWeb投稿の最新話を、カクヨムに予約投稿したところだ。やっぱ今のネット全盛時代、プロを目指すなら新人賞の公募とWeb投稿の2本柱でいかないとな! それにカクヨムとアルフ〇ポリスはロイヤルティがあるし」
「ふーん」
「おいおい、なんだそのやる気のない反応? ほれ見ろ、この前なんてカクヨムで初めてレビュー付きの評価がついたんだぞ? あ、レビューってのはポイントが付く特別な感想のことな。ほれ、お前も読んでみろ」
「ぅえ”っ!? ううん、遠慮しておこうかな……」
「はぁ? さっきからなんだよその塩対応は。言っておくがカクヨムでレビューを貰うのはめっちゃ大変なんだぞ? フォロワー1000人超え、いわゆる『4ケタフォロワー』称号持ちの作家だって、レビューが数件しかないってのがザラなんだから」
「あ、うん、そうみたいだね……」
「この感想くれた人はな、いつも最速で読んで必ず応援もくれるんだ。俺の熱心なファン1号ってとこだな! しかも文面から察するに女の子っぽいしさ。夢が広がるよな」
「あ、うんそうみだね……」
「やっぱ俺の作品の良さは、分かる人にはわかるんだよなぁ」
(……言えない。これを書いたのがわたしって、もう絶対に言えないふいんき……こんな嬉しそうなお兄ちゃんを失意のどん底に叩き落すなんて、そんな非道は私にはとてもできないよ……)
吾輩、「いもうと」のこの小さなつぶやきを聞いてしまい、思わずほろりと涙をこぼしそうになってしまったのだった。
それと吾輩思うに、「ついったー」で毎回必ずつく1件の「いいね」。
ご主人様は敢えてプロフィールは確認していないらしいんだけれど、もしかしなくても「いもうと」が「いいね」をしてるのでは……。
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