〇八月、其の〇三 【芙蓉】


『頬を染め 視線をらす 芙蓉ふようかな』





季語/芙蓉ふよう


季節/初秋しょしゅう


場所/帰り道


時間/夕方




捕捉・備考/

 朝はぱっと大きな花びらを咲かせる芙蓉。なんて大きな花びらだろうと気になっていた。出勤の時はいつも時間ギリギリだから、写真を撮っている暇なんてない。帰りに撮ろう。そう思って夕方、同じ道を通りかかると、その花は閉じてしまっていた。朝咲いて夕方にはしぼむ1日花という種類の花らしい。なんと、朝顔以外にそんな花があったとは! とまだまだ植物のことは解らない私は思ったのです。

 「頬を染め」と言うのは単純に私が見た芙蓉がピンク色だったというのもあるのですが、夕方の茜色の太陽に花弁が染まる情景が思い浮かんだらなあと思い、「頬を染め」としました。

 「視線を逸らす」は芙蓉がしぼんでいく様子が、まるで恥じらって、顔を隠しているように見えたから、その情景が伝わればいいなと思い、「視線を逸らす」としました。

 そしてやっぱりこの美しく、優しい芙蓉を見てっということで「かな」の切れ字は芙蓉の後に付けました。


 というか、これめちゃくちゃ迷いました。下に候補を置いておきますね。未練がましく。


頬を染め 顔を背ける 芙蓉かな


頬を染め 恥じらい背ける 芙蓉かな


夕映えに 照れて隠れる 芙蓉かな


茜色 視線を逸らす 芙蓉かな


頬を染め 視線を逸らす 芙蓉かな


 ええ、芙蓉かなは決まってました。というか、それ以外に思い浮かばないという語彙力の無さよ。


 この句は写生ですが、空想でもう一句上げてみましたので、そちらも合わせて詠んで頂けると大変嬉しいです。


以下空想の句のURLです。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054889869119/episodes/1177354054890697646

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