4人は賢者の塔へと向かい行く。
奇妙な森を抜けると、そこには塔が建っていた。
石とも、木とも、何とも言えない材質の塔。
周囲の見たこと無い異様な魔物の数々。
人の気配の無い森の中、手入れの行き届いた建物。
4人は賢者の元へ辿り着いた。
塔の扉を開けると、そこはがらんどうの空間だった。
石の床が有るだけ。他には何も無く、上へ上へと伸びている。
上は明かりも無く、暗い。
本当に、ここに人が居るのか?
一同が不安に駆られたその時、声は降って来た。
「いらっしゃい。あら?今日はお客さんが一杯。」
ふわりと羽毛が舞い落ちるように、女性が降りてきた。
明かりの無い中でも光り輝く黒い髪と、宝玉の如く美しい光を放つ瞳。
そして、それらと対となるが如く白い肌、手足が覗いていた。
一同は驚き、呆気にとられながら、それでも辛うじて言葉を絞り出した。
「あの…………お初にお目に掛かります。…………………あの………………貴女様が市井にて名高き賢者様…………………………で、宜しいものでしょうか?」
絞り出して訊ねたのはテポンだった。
「えぇ、私が、賢者と名高きタツミン=ユースティコルン=デロンド=オールノウズよ。」
ふわりと床に降りたその女性は胸を張ってそう言った。
「それで…………アナタ達は何をしにこんな所まで来たの?」
名前を訊かれて答えた直ぐ後、瞬間移動によって移動した。
そこは客間だった。
中央には丸い大きなテーブル。
シンプルな装飾のカップが5つ。湯気を上げた紅茶が入っていた。
中央には美味しそうなクッキーとフィナンシェ、チョコレートなどが盛られていた。
今は私達4人と賢者様を含めた5人で茶会を開いていた。
「へぇ、闘技場に。で、そこのゴーレムを倒そうとしたと………。」
「はい。ですが敵わず、途中で剣を折ってしまいまして………」
「で、代わりに魔剣が欲しいのね。なら……こんなのは如何?」
そう言って賢者が取り出したのは剣であった。
装飾の禍々しい、そう、人が苦しみ呻くような顔をオブジェにしたような鞘に収まった、1.2mくらいの剣だった。
「この剣………いいや。ステータスを見て。」
そう言って何処からともなく眼鏡が飛び出し、自分達の顔へと飛んで来た。
その眼鏡が掛かると4人の視界には剣とそこに浮かぶ数字が表れた。
名称:血契魔剣ブラッドブリード
レベル:133
耐久:A+
魔法伝導性:SSS
魔法攻撃力:G
物理攻撃力:B-
特殊:SSS
正に本物の魔剣であった。
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読んで下さる皆様へ
いつも読んで頂き有り難う御座います。
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