ローズヒュドラの毒牙4
現れたのは大きな………タコであった。
賢者の召喚魔術によって召喚された異界の怪物。
タコと言っても洒落にならない大きさ。ヒュドラを見た後だというのにそれでも大きすぎると感じる様な怪物タコ。
色合いも異様で、真っ黒な肌に様々な色の貝をこびり付け、眼は黄金色をしていた。
「穴の中に居る蛇を追い出して、ただし、牙を傷つけたり殺したら駄目よ。」
タツミンの言葉を理解したようにタコが触手を伸ばす。
8や10では利かない、20否、30でも足りないような長く、真っ黒な触手が蛇の掘った穴へと伸びていく。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
地面が揺れ始める。
地震ではない。おそらく………
「シェー!」
「シャー!」
「シュー!!」
「シュ…シュー…………」
ヒュドラが少し離れた場所から地面を砕いて出現した。
しかも、その身体にはいくつもの黒い触手を纏っていた。
一頭は完全に体を触手で締め上げられてまともに動けない。
口を開けさせられてその中を触手でかき回されていた……
ブチィッ!
何かが千切れる音が聞こえ、口の中から触手が何かをその手に掴みながら出てきた。
巨大な牙であった。
「シェェェアァァァァァッ!」
牙を抜かれた一頭は口から血を流しながら牙を奪還すべく触手に襲い掛かろうと暴れる。
周りの3頭もそれを見て毒霧を吐き始めた。
ドォン!
自爆覚悟の大爆破。
怯んだ隙にこちらの拘束を振り切ろうという魂胆なのだろう。
「甘いわよ。」
賢者の言葉を裏付けるように爆煙から出てきたのは爆発前よりも蛇に絡みつく触手だった。
彼女の召喚したタコ。
それはただのタコではない。
異界。
人類では到底及ばない上位存在の跳梁跋扈する世界。
その世界から呼んだ召喚獣である。
並の怪物程度……変異種であっても頭が4倍になった程度では太刀打ちできる相手ではない。
他にも悪足掻きと自身を傷つける覚悟で爆炎や氷が上がるが、それを触手は気にも留めずに口の中を掻きまわし、
ブチィッ!
ブツ!
プッツン!
残り三頭の牙をあっという間に抜き取ってしまった。
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>読んで下さる皆様へ
いつも読んで頂き有り難う御座います。
単刀直入ですが、もし、良ければ感想やフォロー等のフィードバックを頂いたり、他作もご覧になって下さい。お願いします。
ここが良かった。ここは少しこうした方が良いなどの改善点等が有りましたら是非お教えください。お願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます