ローズヒュドラの毒牙1

 「んー……………厄介なのが居たものね。」


 賢者は水晶を覗いて唸っていた。




 水晶に映し出されていたのは蛇だった。


 森の中を木々を薙ぎ倒して進む蛇だった。


 体が血に染まったように赤い蛇だった。




 ただ、その蛇は、




 頭が4つあった。




 「ローズスネーク…………じゃないわね。首が多い…………。じゃぁ、変異種?


 ローズヒュドラ?とでも言うのかしら?」


 適当な事を言いながらへらへらしてはいるが、由々しき事態であった。


 『ローズスネーク』


 過去に数度、王国を滅ぼしかけたという記録の残る毒蛇。


 その変異種。『ローズヒュドラ』とでも言おうか、それが今まさに、人界に現れようとしていた。




 「ちょうどいいわ。魔剣の材料に使わせて貰いましょう。」


 人界の危機を趣味に利用しようとしているとんでもない賢者がここに居た。


 パチン


 塔に居た賢者は消え、次の瞬間にはローズヒュドラの目の前に居た。






『ローズスネーク』


 体長が100mを超す巨大蛇。


 名前の由来はその鱗にあった。


 血を塗りたくったような赤色の、槍の様に鋭くとがった鱗。


 その鱗が薔薇の花のような色で、バラの棘のようである。という所から『ローズスネーク』と呼ばれていた。














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