対外防衛砦 コアリス異常アリ
「皆を起こして!警戒レベルを最大に!住民の避難も準備しておいて下さい!」
デネブは二人にそう言うと見張り台に備え付けてあるバリスタでジャングルに狙いを定めた。
「「解りました!」」
先程までの和やかな雰囲気は消え、二人も迷い無く走って行く。
この砦はアーマスからの猛獣を喰い止めるために存在する。
故に、猛獣が来ること自体はそこまで珍しくない。
住民避難はやり過ぎだと外部の人間は考えただろう。
しかし、デネブは違った。
あの方向を聞いた瞬間。恐ろしい考えが頭をよぎり、背筋が凍ったようになった。
あの咆哮は今まで聞いたどの獣の物とも違う。
つまり、考えられるのは未知の、戦った経験の無い猛獣か、それとも……………。
アマゾネスの襲来!!
この日。
この日は
ランデメンド王国とアーマスの両国にとって大きな転機となったことを、今の時点では賢者以外誰も知らなかった。
多分………。賢者は知っていた……筈だ。
「私はアーマスの全アマゾネスの代表!レリルだ!貧弱腰抜けのお前たちに告ぐ!
全てを我ら強者に捧げろ!
弱者が何かを持つ事は許されない!
弱者は我々強者の肉として生きるが相応しい!
さぁ、我ら強者に蹂躙される事を誇りに思って死ねぇ!」
国境の木々から現れたのは女であった。
猛獣のと思しき毛皮を着こみ、金属製の猛獣のそれを象った爪を手に着け、アーマスの猛獣たちを引き連れたアマゾネスであった。
緊急事態であった。
アマゾネスは気性が激しく好戦的な種族だとされている。
見た目が女だからといって油断した男が何人も敗れ去っている。
油断をしなくても敗れ去っている。
デネブの予感は当たった。
しかし、デネブの脳内にはその時、そんな事など微塵も考える暇も無かった。
「美しい」
目の前に現れた女性に目も心も思考も奪われていたからだ。
意志の強さを示すが如き眼光
しかしてその眼は可憐な乙女を思わせる愛らしさも同時に持っていた。
毛皮越しでも解る、好戦的であることを象徴する暴力的なまでの肉体美。
しかして、毛皮の外に露わになっている肌は傷一つ無く、無駄が無く、輝いていた。
暴力性と可憐さ
本来なら相反するであろう二つが同時に存在し、それでいて矛盾せずに輝いていた。
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