ゴウテツは考えた しかし、賢者はなにも考えていなかった

ゴウテツは魔剣に潰された時の怪我を治している間、考えていた。




自分について


賢者について


魔剣について


力について






体が動かないが故に頭を動かしていた。












何故賢者殿はあの魔剣を渡したのだろう?


どうすればあの魔剣を扱えたのだろう?


あの魔剣は本当に自分が持つに相応しいものなのだろうか?


そもそも賢者殿は武器としてではなく、何かを伝えるためにこれを渡したのではないか?


あの魔剣は魔法で使うべき物だった?


人を辞めねば扱えない?


もしかして自分には魔剣を渡す気がなくて到底人間には扱えない代物を渡した?






バキャーン!!






爆音と振動が響いた。


遠くで誰かがあの魔剣を抜いたのか?


だとしたら愚かだ。


某さえ抜けなかった物を誰が抜けるというんだ?








「セイ!!ん゛ん゛ん゛ん゛ん!!!!!!重っ!!!!!!」


遠くで魔剣の鋒が天を穿っていた。


「鞘鞘鞘鞘!早く!!もぅタツミンさん!何作ってるんですか!!」








抜いた輩が誰か。


何を言っているか解らなかった。
















そんなことはどうでもいい。


悟ったからだ。


賢者殿の伝えたかった事が!!








某は傲慢だったのだ。


自分には力があり、もう既に人間の限界に到達したと思い込んでいた。


だから某は魔剣を求めた。否。


すがったのだ。




己の限界等と抜かして諦め、後は道具が有れば某は最強だと思い上がって魔剣にすがったのだ。






しかし、愚者の思惑なぞ賢者殿には見透かされていた。


だからあのような魔剣を某に授けたのだ。




『限界だと諦め、道具に頼るな。先ずは己が強くなれ。』




世界にはあのような魔剣を扱える人間が居る。


つまり、人間の限界は、私の限界はまだまだ先にある。














「賢者殿ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!ありがとうございます!!某!!まだまだ強くなりますゆえ!!魔剣に相応しい真の強者になりますゆえ!!
















待っていてくだされ!!」






























彼がその後、世界各地で現れた竜の討伐に参加し、無銘の剣と拳だけで竜を倒す「剛剣鉄拳のゴウテツ」と呼ばれて人々から畏怖と尊敬を集めることを知る者は現時点では賢者の他には居なかった筈だ。
















「普通に50tなら大丈夫でしょぉ?ホラホラ見て。」


そう言いつつ世穿大剣を振り回すタツミン。


「タツミンさん!一体それ幾つの魔法を付与してるんですか?」


 「ん?肉体強化と重力軽減。二つだけよ?」


 二種類だけ。


 数だけなら確かに大したことは無い。


が、


50tの得物を肉体にダメージ無く、ああやって振り回すのに必要な魔法のセンスと魔法自体の強さ。


それはそんじょそこらの魔法使いに出来る事では無い。


ウチの騎士団にも居ないかもしれない。


「そんなもの振り回せる奴は普通居ません!これは封印。他の人に渡すの禁止です!」


 「えー……シモン君の意地悪ぅ。」






知る者は現時点では賢者の他には居なかった筈だ………本当にこの賢者はそんな事考えていたのかな?















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