1-9 月夜と夜時間
卓球勝負を終えて、僕と月夜は部屋に戻る。
僕達の部屋は1階で2人部屋とは思えないほど大きな部屋だった。
外から大海原が見え、縁側の先は庭になっており、散歩することもできる。
僕と月夜は縁側に置いてある、椅子に座って夜の時間をまったり過ごしていた。
大人になったら酒を飲んで話し合うんだろうか。
それはいいとして……問題が発生した。
「好き好き好き好き……太陽さ~ん、甘やかしてぇ」
「あ、はい」
月夜を好きになった気持ちを思いだして、彼女を強く抱きしめたら、月夜も昔を思い出して今までにないくらい甘えてきた。
さっきから椅子に座る僕の上に座ってすりすりしてくる。
あ、耳噛まないで。
「太陽さん、いつプロポーズしてくれるんですか」
「ちょっと待って、さすがに早いっていうか……」
「年齢の問題なら大丈夫。法改正するまでに結婚すれば16歳でもいけます」
「次の僕の誕生日待ちってわけか。……できれば社会人になってから」
「えー! それだと5年も待たなきゃ駄目じゃないですか。鞄の中の婚姻届と戸籍謄本がボロボロになっちゃう」
「準備よすぎでしょ! 結婚とか考えないわけじゃない。できればね……」
「はい」
「結婚式を挙げたい。月夜のウェディングドレスが見たいんだ」
「ほわぁ……」
「多分世界で1番綺麗なウエディングドレスを着た君を見たい。だからお金を稼げるように……」
「嬉しい! 嬉しすぎてチューしちゃう!」
「5年は長いよね。正直、僕達の関係が今後どうなるか分からない。そこだけは不安だよ」
「大丈夫です。私達ならきっと……。だから早く婚約しよ。こっちは年齢制限ないし。婚約指輪も別に輪ゴムとかでいいです」
「そこは絆されないぞ。耐えてやる!」
「もー! なんでですかー!」
「かわいいけど、専売特許だからそれは言っちゃ駄目」
一度を息をつく。
「月夜は本当に僕のこと好きだなぁ」
「ふっふーん、当然です。太陽さんだって……私のこと好きでしょ」
「そりゃそうだよ」
「さっきからずっと私のおっぱい揉んでますもんね。ちょっと盛ってくるんですが」
「ん? じゃあ脇腹の方がよかった?」
「きゃん!? ちょ、くすぐった……だ、駄目! コラッ!」
両手を月夜の体から外して、浴衣の外からゆっくりと月夜を抱きしめる。
それから優しく唇をくっつけ合う。舌も絡めてただ無心に愛を確かめる。
「こうやってキスするとあの告白の時を思い出すんですよ」
「初めて唇でした時は互いに想いをさらけ出した時だっけ」
「僕は月夜が世界の誰よりも好きなんだ!」
月夜は僕の耳元で口走る。
「君が好きだ。本当に好きだ! 初めて会った時からずっとずっと好きだった」
「ちょ、あの、月夜さん?」
「神凪月夜さん、僕はこれからの学園生活を君と一緒に過ごしたい。僕の側で……ずっと笑っていて欲しい、だから僕と……僕と付き合って下さい!」
「一字一句覚えてるの止めようよ! は、恥ずかし!」
「太陽さん、顔真っ赤!」
今度は月夜からキスをされる。
「嬉しかった……。本当に涙が出るほど嬉しかったんですよ。心が通じ合えたことが嬉しくて、感情が全部出ちゃいました」
「僕もだよ。ずっとため込んでいた想いを吐き出したからね……」
「……大好き」
僕は月夜を抱えたまま立ち上がった。腰にくるけど、構わない。
月夜も僕の肩に手をまわす。そのまま彼女を抱っこしたまま、寝室の方へと戻る。
屈んで月夜をふとんへと降ろした。
さぁ……今晩はたっぷり楽しませてもらおう。……その時、視界の奥に潜むメガネがキラリと光った。
「……」
「太陽さん?」
「普通に寝ようか……」
月夜は首を動かして、僕の視線の先を見る。そして表情を苦いものに変える。
「このぉ……中途半端にぃ、盛ったぁ、気持ちがぁ……もやもやすりゅぅ!」
「そうだね、もやもやすりゅねぇ」
片山さんがじっと見ている中で行為をするわけもいかず、僕と月夜は寝る支度をするしかなかった。
◇◇◇
寝る支度をして、明日の予定を確認する。
朝に予約していた家族風呂に入って、朝飯を食べて、そのままチェックアウトだ。
観光もしたいところだけどバスの便は少ないし、仕方ないね。
ふとんは2つ敷いているけど……、せっかくだしあれをしてみたいな。
「月夜」
「はい?」
髪の手入れをしながらこっちを振り向く、
やっぱかわいいなぁ。ペロペロしたくなるようなほっぺだ。すっぴんでも超絶かわいい。
「寝方なんだけど……多分、今回しかできないと思うから」
「ええ」
「このやり方でお願いしたいんだ」
「何のことかよくわからないですけど、いいですよ」
そして明かりを暗くして、僕と月夜は布団に入る。
「あのー」
「何?」
「これわけわかんないんですけどー」
「僕はすごく満足してるよ」
「でしょーねー」
僕は今、掛け布団のかわりに月夜の髪に包まれて眠っている。
顔、体全体が月夜の髪にくるまれているのだ。いいにおいがする。興奮する。
「私の目線の先は何もないんですよー。虚無なんですよー」
月夜が僕の方を向いたら髪が触れる量が減るので禁止だ。
月夜には悪いけど……今晩だけはわがまま言わせてもらう。
「はぁ……はぁ……月夜の髪……最高だぁ」
「はぁ、私は何やってんだろ……って! こらっ、胸を揉むな」
「寂しいかと思って」
月夜の髪を味わい、豊満な胸を揉みながら、僕は眠りについた……。
「今度、ちんちんを思いっきり握りながら寝てやる」
まったく月夜はちんちん大好きだなぁ。強く握るくせだけは何とかして欲しいけど。
僕はそのまま……眠りについた。
そして……翌日。
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