156 Last Episode あの花畑で月夜と共に⑨

 それで悶々とした気持ちのまま初詣を迎えたっけ。

 いきなり星矢経由で九土さんに呼び出されたな。


「月夜も呼び出されたんだよね?」

「私はお昼過ぎには呼ばれましたね。九土先輩から予定が変わったからって。私をかわいくするって」


 ああ、あの月夜の着物はマジで可愛かったもんな。

 桜が描かれた濃いピンクの着物だっけ。写真データは残っている。カメラのデータを月夜にも見せた。


「何か別人みたい。プロのメイクは違いますね。自分には出来そうもないです」

「月夜の場合はわざわざ化粧しなくても……と思うけどそういうことではないんだろうね」

「ふふ、化粧は戦うための装備ですから」


 月夜は振り向いて、飛び込んで僕を押し倒してくる。

 ああ、30分くらい経ったから我慢できなくなったのか。化粧しなくても戦闘力高いじゃないか。

 月夜の抱きつきとキス攻撃を僕は受け入れる。


 僕が下に、月夜が上に……その育った胸を胸部に感じながら話を続ける。

 寝転んだ状態で抱きしめ合うのもいいなぁ。

 下から見た月夜もかわいい。


「すごく高い着物だったんですよ。目が飛び出てるかと思いました」

「見た目からして高級感があるもんね」

「太陽さんが人混みの中で私を引っ張っていくからヒヤヒヤでした」


 それは申し訳なかった。月夜と2人きりで何とか話したかったから必死だったんだよね。

 そうして2人きりになれたわけだ。


「あの時、 太陽さんから今までの関係を望んでしまっているって言われて、表面上は笑顔を作りましたけどやっぱり寂しかったです」


 そうだよね。月夜に我慢を強いてしまった。

 今思い出しても本当に悪手だと思う。


「私は我慢が嫌いな女なんです。四六時中、太陽さんに抱きつきたい。暑いと言われてもくっつくし、寒いって言われたら全身全霊で暖めにいきます」

「そう……そうか」

「あの」


 月夜の目が細くなる。


「私の胸見て喋るんじゃなくて私の顔見て喋ってください」


 僕の胸にいい感じで当たる月夜の胸から目を外すことはできない。今日もう少し胸元がゆるい服であれば素晴らしい谷間が見えたというのに。

 くそ、このおっぱいが悪いんだ。

 僕は両手で月夜の胸を鷲づかみにして体を逆転させる。


「にゃっ!」


 つまり僕が上、月夜が下になった。他の人に見られたら完全に襲ってるようんしか見えない。

 ふっふっふ、めいいっぱい触らせて。


「はぐっ!」


 僕のある部分に走る衝撃に僕は仰け反ってしまう。


「あやややや! 月夜、強すぎ!」

「あ、ごめんなさい」


 月夜さんに思いっきり股間を捕まれてしまったのだ。容赦ない攻撃に月夜の胸から手を外す。


「隙あり!」


 月夜は僕のズボンを引っ張る。


「つ、月夜さん!?」

「ちょっと! 私の胸とお尻を触ったんだから太陽さんのちんちんでも触らないと割に合わないです!」

「さっき股間掴んだじゃないか!」

「ジーンズの上じゃ感触わかんない! パンツの上から触らせてください!」


 さすが性欲魔人。恐ろしいことをし出かす。


「パンツはまずいって! ちょ、ちょやめ!」

「いいじゃないですかちんちんの1つや2つ」

「1つしかないよ!」


 月夜の動きが止まり、真顔になる。


「え、キンタマって2つあるんじゃないんですか? 見たことないんですけど」

「真顔で何を言ってるんだ君は」


 とりあえず落ち着かせることにした。


「月夜って本当に積極的だよね」

「触られたら触り返すのは当たり前のことです。太陽さんっていつも私の体ばっかり見てるじゃないですか」


 エロい体してる方が悪いと言いたいがここは紳士っぽく言わないといけない。

 僕は呼吸を落ち着かせる。


「そんなことはないよ。僕は真面目でそのような考え一切ない。たまたま目線がいっただけで体目的だなんてまったく思ってない」

「暑いなぁ。もうちょっとワンピのスカート丈を上げようかな」


 月夜はスカート丈をたぐり寄せる。真っ白なフトモモがさらに露わになり、もう少ししたらさっきちらっと見たピンクの下着ががががが。


 ピピッ


「え?」


 スマホのシャッター音?

 撮った写真を僕に見せてくる。これが鼻の下を伸ばした男の顔か。ひっでぇツラ。


「私のふとももを凝視する太陽さん」

「月夜の体がエロいのが悪いんだよ」

「ついに本性を表しましたね」


 月夜は息をつく。


「えっちなのは元気な証拠だから別にいいですけど、屋外では控えてくださいね」

「ねぇ月夜。ふともも触っていい?」

「人の話聞いてますか!?」

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