136 恋人を家に招いてやる事は④

 

「せっかくだから口調とか変えてみる?」

「口調ですか……うーん」


 いつもの月夜の口調もかわいくて好きなんだが、せっかくなので演じてもらうとしよう。


「僕の好みの口調を考えてみてよ」

「また、難しそうな……」


 すると月夜ははっと息を吐いた。


「まったく、太陽のメイド好きは困ったもんだ。俺も暇じゃないんだが」

「星矢口調はやめろ」


 その瓜二つの顔をと合わさって、思い出してしまうじゃねーか。


「太陽さんって私の次に兄が好きだから……そうかなって思って」

「僕は女の子が好きなんです! 女の子らしい口調で!」


 月夜はうーんと唸りだした。


「ふふ、可愛らしいじゃないか……。お姉さんがじっくり教育してあげよう」


 大人っぽい。そうして裾を上に持っていく様がぐっとくるね。吸い付きそうになるフトモモが実にいい。

 だけどまだかわいらしさがあるな。


「ちょっと、じっと見ないでよね! べ、別にあなたことなんか……好きじゃないんだから!」


 ツンデレか。その場合はツインテールの髪にしてもらいたいな。

 ツンデレ口調もありだな。これでお願いするか? いつも優しい月夜に罵倒されるのも悪くない。


「もう太陽くん、しっかりだよ! 私が来たからには安心、任せて!」

「おお、世話好き幼なじみっぽい! いいね、僕そういう口調好きだよ」


 月夜の表情が真顔になる。


「ふーん、やっぱり水里ちゃんみたいな口調がいいんだ。好みでないと言いつつ、選ぶあたりツンデレだね」

「そういうトラップはやめて」


 結局、いつもの口調で撮影会をお願いすることになった。

 いろんなポーズを取ってもらい、カメラで撮っていく。

 短めのスカートのおかげで月夜はちょいちょい気にしながらポーズを取っていく。

 ふふふ、それも折込済だ。その表情を撮りたかったんだ。

 月夜が頬を赤らめついに苦情を言う。


「やっぱり……スカートが恥ずかしいですご主人様!」

「でも月夜って結構ミニスカート履いてくるよね。見えていいわけでは……」

「ご主人様と一緒のデートじゃなきゃ履きません!」


 おお、何か少し前の僕だったら悶絶しそうな言葉だ。

 今の僕でも相当くるんだが……。それにしても。


「兄が太陽さんはスカートが好きで座った時に見えるふとももが好きって言ってたから」

「またあいつか!」


 あいつも人のこと言えないだろうが!

 そういえば暇つぶしに女の趣味を言い合った気がする。月夜がいつも僕の好みの恰好をすると思ったらそこからが情報源かぁ。


「私が履いているのは下着まで見せるものじゃないです。このメイド服……ほんとギリギリじゃないですか」


 そのギリギリさがいい。見えているパンツじゃダメなんだ。見えそうで見えない……そこを恥じる月夜を見ると情を加熱させる。


「じゃあ、あのクリスマスに履いてた極ミニ履いてきてよ。今ならあのドキドキも心地よさそう」

「ああ、太陽さんに逃げられたアレですか。イラっときて捨てましたよ」

「なんてことを!?」


 今度月夜の家にいった時、あの服を着て迫ってくれると信じていたのに……。

 もういい、こうなったら今の月夜で楽しんでやる。


「撮影はもういい。ふふ……さらに奉仕してもらおうか」

「ご主人様……私に……何を」

「お仕置きの時間だ」


 月夜もノってきたな。これは楽しくなってきたぞ。

 月夜の腕を思いっきり引っ張り、抱き寄せる。ふふ、この抱き心地の良さ、たまらん。

 そしてかわいい月夜の潤いのある唇に吸い付くようにキスをする。


「ご……主人様……」

「ふふふ、かわいいぞ、僕のメイド……上から下までなめ合わすように……ん?」


 なんだか違和感のあるものが腕に当たる……。僕は何も考えずそれを掴んだ。


「ひゃあ」


 月夜の艶やかな声と共に発生するこの柔らかさ、なんだこれ。

 両手でたっぷりと揉み込んでいく……止めることなんてできるはずがない。

 大きい……。手をいっぱい広げても全てを覆うことができないサイズだ。服の上からなのが惜しい。


「月夜……ブラジャーつけてないのか?」

「ふぁい……ごしゅじんさま……おっぱい好きだから……付けない方が、ひゃん」


 その通りだ。それも兄貴情報か。

 メイド服自体は薄い作りとなっている。

 なのでこの柔らかさはわりとダイレクトで伝わってくる。

 今までのブラジャーのごわごわ感がまったくない。


「そんなに……しっかり揉まれたら……私、やん……もう……」


 綺麗な月夜の声でそんな台詞を吐かれたらもう辛抱できなくなってしまう。

 く、クソ……もう我慢できんぞ。夜まで待てない。もういっそ今ここで押し倒して! 服をはぎ取って直で!


「ただいま」

「――――っ!?」


 あの声は!?

 僕は月夜を抱いたままカーテンの奥へ押し付ける。


 妹の彗香すいかが帰ってきやがった。

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