135 恋人を家に招いてやる事は③

 まず本日、月夜がこの家に来た理由の1つとして重要なことがある。

 先日こんなやり取りがあった。


 ◇◇◇


「誕生日をやり直す?」

「結局誕生日パーティできなかったじゃないですか」


 僕と月夜の誕生日が2月7日である。奇跡的に被ってしまったことにこの間一騒動あったばかりなのだが……。


「太陽さんが私だけに祝ってほしいって言ってたから」


 ああ、そういえばそんなこと言ったな。


「もう、胸キュンポイント3000ゲットです」


 いきなり新しい造語が出てきたぞ。いったいそのポイントで何ができるのだろうか。

 月夜はぐっと両手を肩の方まで上げた。


「プレゼントの変わりとして私にできることがあれば……何でもしますよ」

「な、なんでも!?」

「できることですよ! さすがに全裸で外を歩けとか……ポルノ写真とか……髪でえっち」

「妄想で僕を性犯罪者にしないでくれるかな」


 月夜の妄想はたまにぶっ飛んでいる。

 考えなくもないけど、さすが月夜の嫌がることはしたくない。

 でも、月夜と付き合って主なことはしてるんだよなぁ。あとは……身も心も結ばれることくらいだけどそれは機会を見てやるべきだろうし。


 あ……あれにしよう。


「じゃあさ、この前コスプレしたよね。即売会で」

「はい、そうですね」

「今度両親が旅行に行ってて、多分妹もいないはずだから……僕の家に来てコスプレして接待してよ」

「え」


 月夜なんか嫌な顔をした。僕のことだからもっと清いお願いだと思われていたのかもしれない。

 悪いね。男子高校生はやれるときに……やる、それが信条だよ。


「じゃあ……もう一個やってみたいことを考えたんけど…‥どっちがいい?」

「もう一個ですか?」

「月夜を」

「はい」

「手足を縛って動けなくして」

「え?」

「目隠しして」

「ん?」

「死ぬほどくすぐる」

「コスプレでお願いします」


 月夜ならそういうと思ったよ。

 でも……いつかやってみたいな。その時は目隠しした状態で水里さんを呼んで2人がかりで泣くまで……。


「今、何か鬼みたいなこと考えてませんか」



 ◇◇◇


「じゃーん、というわけでメイド服を用意しました」

「結構いい生地ですね。どうやって手にいれたんですか」

「お年玉をつぎ込んだよ」

「カメラ買うんじゃなかったんですか……」


 月夜にはずっと欲しかったカメラをお年玉とバイト代で買うって話をしていたんだけど、気がついたらコスプレ店でメイド服を買ってたよ。

 仕方ないじゃないか……月夜のメイド姿を見て学園祭で感動したんだよ! あの感動をもう一度味わいたんだよ!

 あのメイド服を手に入れたかったけどクラスの女子に欲しいと言えるわけもなく、店で入手したというわけだ。

 金があればだいたいものは買える。


「ま、いいですけど……。じゃあ着替えてきますね」

「プリムやリボンも忘れないでね」

「はーい」


 よし、カメラの準備をしていろんなポーズをして永久保存としよう。

 そしてもう一着も用意していて、そっちにも着替えてもらって……撮影会だ。

 お昼間はしっかりとご奉仕してもらおう。


「ご主人様、お待たせしました」

「おお!」


 僕の購入したメイド服は紺色をベースにした膝上がギリギリのワンピースだ。月夜の綺麗な足が見えるようにできる限り高くしている。

 白のエプロンドエレスにピンクの胸のリボン、ホワイトプリムが月夜の栗色の髪に被っていた。髪もちょっとぱらつくように黒のリボンで結んでくれた。

 これはかわいい。大金持ちだったら雇いたい可愛さだ。


「すごくかわいい! ああ、もう最高だ」

「喜んでくれるならいいですけど。あ、もう一着そこに置いてますけど、これは?」

「これ、父さんが持ってたやつ。昔母さんに着せて楽しんでたって言ってた。昔のナース服ってありだなって」

「コスプレ趣味も一子相伝ですか!?」


 そこまでじゃない。

 でもピンク色のナース服っていいよね。後で着てもらいたい。

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