040 下級生とプール②
「そ~れ~よ~り、いつまでパーカー着てんの!」
「ちょ、海ちゃん!」
世良さんはがばっと月夜に抱き着いて、そのまま手早くチャックを開き、パーカーははぎ取ってしまう。
僕の視界に現れた白のビキニタイプの水着はお日様のように輝いており、月夜は上から下まで何をとっても完璧な肢体であった。
世良さんもスタイルはいい方だけど、月夜はさらに上を行っている。
恥ずかしそうに胸部を隠そうとする所もかわゆい。やばい目が合った。
「ねぇ、先輩、月夜の水着どう? もっと近くで見ないと」
「さすがに目のやり場に困るし、無理かも!」
「月夜がビキニタイプ選んだの初めてなんですよ。何ででしょうね」
「木乃莉まで!? ちょっともう~」
「木乃莉~プール入るよ~」
「うん」
瓜原さんもパーカーを脱いでプールに入った。彼女はワンピースタイプの水着だ。控え目な彼女らしい。小柄な彼女はそれがよく似合っている。
世良さんと瓜原さんは先に行ってしまった。残されたのは僕と月夜。僕達は隣同士でブルーシートにちょこんと座る。
こうやって全身……月夜の白い肌を見たのは初めてな気がする。7月の海の時は布面積が多い水着着てたしなぁ
さっきのが衝撃すぎて何を話していいか分からない。え~とえと。
「ビキニタイプ初めてだったんだ。やっぱり珍しいのかな」
「え?」
「ごめん、おかしなことを聞いた気がする」
月夜はくすりと笑った。風で揺れるサラサラの栗色の髪を月夜は少しかき分けた。
「男子の視線が苦手だったんですよ。いろんな所凝視されるし、海ちゃんみたいに奔放な性格じゃないんで」
その十分に育った胸部、くびれた腰つき、やらかそうな太もも……そして月夜とまた目が合う。マジ、ホント、カワイイ。
「どこ見てるんですか」
「ごめんなさい」
「太陽さんに大食いキャラ扱いされてるんですけどちゃんと気は使ってるんです」
あれだけ食べててこのスタイル。どこに栄養がいくのか。
「まだ聞いてないですよ…‥」
「え、え~と?」
月夜は体を前に向けたまま、頬を紅く染める。傷一つない透き通った白い肌が見られる中で唯一そこは赤みを帯びていた。つい目線が弾む胸元にいってしまう。15歳ってこんなにスタイルいいものなのか……?
「私の水着……どうですか」
夏のデートの時の月夜は凄く綺麗で、浴衣を着た月夜は凄くかわいかった。
それとは違う……今の月夜でしか感じない感情……僕は素直に答えた。
「月夜らしさが出ていて……凄く魅力的だ」
「…‥‥ふふ」
ちょっと弱かったかもしれない。でも綺麗とかかわいいとかという表現を使いたくなかったのだ
月夜は下を向いて、頬を緩ませた。気があるのであれば髪撫でてあげたりした方がいいのだろうか。
僕達の中で無言が続く。
「月夜~流れるプールにいこ!」
「あっ、うん!」
「行ってきな、僕は読みかけの本を読みたいから待ってるよ」
荷物とか置いているから誰か番をしないといけない。プールで泳ぐよりも……美少女達を見ている方が役得ってもんだ。
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