おじいちゃん
最後に会ったのが15年くらい前かな。
おじいちゃんは、いつ見てもたばこの煙と一緒だった。
いつも口ではなく、目で言葉を投げかけてくる
無口で昔の日本人のようなひと。
久しぶりに会った時は、白いベッドの上だった。
力強かった視線も、ちょっぴり弱くなっていた。
口下手な私は、なんて話しかけていいかわからずに、
わざわざ来たんだよ。って。
それしか言えなかった。
だから早く良くなってって
続けて言えなかったなぁ。
もう会えないけど、
私は、私の中のおじいちゃんによく言うの。
おい、じじい!って。
そんでもってアサヒのスーパードライをコップに開けて、
じじい、このビールまずいな!ってね。
一緒にお酒なんて飲めなかったけど、
いまでは一緒に飲んでるよ。
たまに思い出して、一緒に飲んで。
これが多分、私のおじいちゃんへの供養なのかなと思います。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます