おじいちゃん

最後に会ったのが15年くらい前かな。


おじいちゃんは、いつ見てもたばこの煙と一緒だった。


いつも口ではなく、目で言葉を投げかけてくる

無口で昔の日本人のようなひと。


久しぶりに会った時は、白いベッドの上だった。

力強かった視線も、ちょっぴり弱くなっていた。


口下手な私は、なんて話しかけていいかわからずに、


わざわざ来たんだよ。って。


それしか言えなかった。


だから早く良くなってって


続けて言えなかったなぁ。


もう会えないけど、


私は、私の中のおじいちゃんによく言うの。


おい、じじい!って。


そんでもってアサヒのスーパードライをコップに開けて、


じじい、このビールまずいな!ってね。


一緒にお酒なんて飲めなかったけど、


いまでは一緒に飲んでるよ。


たまに思い出して、一緒に飲んで。


これが多分、私のおじいちゃんへの供養なのかなと思います。


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