123話 編入生

 結局会議は中止に終わり、各使者達も自分たちの国へ帰ることになったので、俺たちも帰ることにした。


「明日は学園あるからちゃんと来てよ?」


「え?何のこと?」


「……ちゃんと学校には言っておいた方がいいですよ……」


 何故かウルティマに注意された。

 君は学校に行ったことがあるんですか!?と聞きたかったが、俺にはそんな勇気はなかった。

 多分言った瞬間、完全に孤立する運命に立たされているから。


「結局何もしなかったな……」


「うん。トオルのせいでね」


「ぐっ……確かにそうだが喧嘩を売ってきたのは俺ではない!売ってきた方が悪いんだ!」


「あーあ」


「何だその言い方!……まあちょっと調子に乗って全員一瞬でケリをつけたのは相手さんにも悪いと思ってるけどさ」


「「「「「ギルティ!」」」」」


 何故か俺以外の全員から全否定された。


「それじゃあ私はここまでです。また会いましょう」


 ウルティマはここに留まって活動をする為、メルトリリスに戻る俺たちと銀亭の宿の前で別れた。


「じゃあ俺たちも帰りますか」


「そうだね」


 路地裏で小さい輪を作り、俺たちは俺の部屋(城内)へと転移した。



「じゃあまた明日ね」


「俺は寝とくから」


「大丈夫。叩き起こすから」


「やめて!?」


「じゃあ起きてくださーい」


「起きれたらな」


 そうして本日はお開きになった。

 そして俺はすぐに眠った。


 気がつくと、空は明るくなっていた。


「あぁ……。面倒くさい……」


「そんなこと言ってないで早く着替える!」


 振り返るとそこには楓がいた。


「……起こしてこなくても良かったのに」


「起きなかったらその事を口実に休もうとしてたでしょ?」


「くっ!なぜ俺の考えていることが……!」


「ふっふーん!トオルの思考が簡単すぎるだけだよ」


 くっ……!俺にはポーカーフェイスレベルがゼロなのか!せめて最大100の中で30は欲しいんだよ!


「それじゃあ今日は必ず連れて来いって言われてるから付いてきてよね」


「はいはい……」


 若干気分が乗らないものの、理事長の命令なら仕方ないと思って受け入れ、換装で服を着替える俺。

 行きたくないんだけどなぁ~!


「いいから行くよ!」


「グヘッ!」


 楓が俺の襟を掴み、ズルズル引きずっていった。


 そして一時間後。朝礼が始まった。


「はいはーい注目や!今日は編入生が来てるから挨拶してもらうでー!」


 編入生……誰なんだ?

 俺がそう疑問に思っていると、ガラガラと扉は開いた。


「な——っ!?」


「初めましてだ。我の名前はオジルと呼ぶ。よろしく頼むぞ」


 まさかの編入生とはオジルのことでした。

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