第431話
「あ!カイト様!! 色々とありがとうございました。 と言うか、かなりご自由に出回れている様ですね。」
と開口一番、チクリと、ぶっ込んで来るオスカーさん。
「ああ、ただいまw そしておかえりw どうだった新婚旅行は?」
と言うと、側で照れるヨーコさんwww
「ええ、お陰様で、楽しい一時でしたよw」
と頭を掻くオスカーさん。
「ああ、紹介するよ、うちの大臣のオスカーさんとヨーコさん・・・結婚したての新婚さんw こちらは、大陸Bのエリーゼン王国のお姫様? ジャクリーン・フォン・エリーゼンさんね。」
と軽く紹介する海渡。
「初めまして。主人がいつもお世話になっております。この度嫁いで来る事になりました、ジャクリーン・フォン・エリーゼンです。ジャクリーンとお呼び下さい。」
と甲斐甲斐しく? お辞儀をするジャクリーンさん。
「いやいや、おいおい、嫁いでないから!! 変な噂の種蒔くのは、本当に止めてね!!!」
と速攻で突っ込む海渡。
「これはこれは、ご丁寧にw オスカーとヨーコです。こちらこそ、宜しくお願い致しますね。
そうですかww しかし、カイト様も面白い事になってますねwww」
と弄る気満々のオスカーさん。
隣のヨーコさんが、悪い顔をしているwww 初めてじゃないかw そんな顔ww
「一応、フラフラ遊んでる訳ではなく、ちゃんと貿易とか支店とかを増やして行く方向だからね?
まあ、確かに愉しみ優先で有る事は、否定しないけど、少しぐらいは良いだろ?」
と海渡が反論すると、
「ええ、国益にも商会の益にもなってますから、文句はないですよ?
まあここ数ヶ月、大変でしたからね、ある程度国内も落ち着いた事ですし、離れていても決裁出来るシステムも構築して頂いてますから。」
とオスカーさん。
「しかし、この国って不思議ですわね。本当に凄いし、本当に楽しそうな国ですねw 私は幸せですわ♪」
とジャクリーンさん。
否定するのが疲れた海渡は苦笑いでスルーした。
昼食を大食堂でワイワイと楽しむ。
すると、5~7期生がやって来て、
「ボス! 我々の出番も早めに是非!!」
と今回の動員に触発されて、嘆願に来たらしいww
「ハハハ、そう逸るなってw 勿論、今後頼みたい事が出来た時点で適材適所でお願いするけど、それには実力が伴ってないと、こちらも安心して任せられないからね。
今、5,6,7期生のギルドランクってどれくらい?」
と海渡が聞くと、A~Cの間ぐらいだそうな。
「ふむ。まあ経験値を積んで安心して頼めるぐらいになっておいてくれよ! もし俺が頼んだ事で、命を失ってしまったら、俺は後悔してもしきれないからね。
どんなクエストでも油断せずに、無傷で帰って来れる様に! 期待してるからな!」
と海渡が言うと、
「「「「「「「「「イエス・サー」」」」」」」」」
と言って、敬礼していたw
「しかし、いつから、この軍隊風が始まったんだろうか?」
と海渡が呟くと、
「ああ、それなら、ほら、あの最初のブートキャンプの時が、スタートですよw」
とフェリンシアが笑っていた。
そうか!・・・あの時だったな・・・しかし、2期生以降にはブートキャンプやってないと思うんだがなぁ・・・。
食事も終わり、午後からは、ジャクリーンさんはこちらの冒険者ギルドの登録と、魔法の実戦訓練と言う感じで、纏まった。
ジャクリーンさんの事は、フェリンシアとステファニーさんの2人に任せ、海渡は別行動を取る事にしたのだった。
3人と別れた海渡は、1人で教会へとゲートで向かい、女神様の所へ・・・。
「お久しぶりです。海渡さん。うふふ、珍しくお一人ですねw」
と女神様。
「どうも。ちょっと悩みと言うか、どうしたものかと考えてしまいまして。」
と海渡が素直に吐露すると、
「ふふふ、フェリンシアさんの事ですね? まあ確かにフェリンシアさんはフェンリルですがね。
別に人化している分には問題ないのですよ? 種族を超えても『あり』だと思いますよ?
ちゃんと子孫も残せますし。」
えーーーーーーー!? そ、そうなのか!?
「でも、その場合って、子孫の種族や見た目ってどうなるんでしょうかね? あとユグドラシルの番人の役割とかもあるでしょうし。」
と疑問に思った事を、聞いてみると、
「まず、海渡さんと『人化した』フェリンシアさんとの間に生まれるのは、一見獣人の様な見た目の子供になります。
人とフェンリルの両方の特性を持った子供となります。大きくなれば、耳や尻尾を隠し、完全な人間の様にもなれますし、獣化してフェンリルになる事も可能です。
まあユグドラシルの番人の件ですけど、特に必須って訳でも無いのですよ? それに、今はご存知の通り、絶界の森だけにある訳ではないですからね。
番人が必要だった理由は1本しか存在しなかったからなのです。
現在、番人をしてくれているフェリンシアさんのお母さんにも、同様の事は伝えたのですが、『そうか、気が楽になった。でもここが気に入ってるから、このままで良い。お気遣いありがとう。』と言われちゃいました。
あ、話を子孫の事に戻しますが、更に付け加えると、ステファニーさんとの間に生まれる子はハイヒューマンとハイエルフのハーフとなります。
ジャクリーンさんとの間に生まれる子は、今のままだと人族そのままでやや寿命や特性が優れた子になりますね。
まあ、ジャクリーンさんの場合は、もっと鍛えた後にユグドラシルの金色の実を食べさせて、昇華させちゃえば良いのですよ。」
と気になっていた事をズバリと教えてくれた。
「なるほど・・・。色々と気に掛かっている事が判り、悩みが前進しましたwww」
と海渡が笑いながら言うと、
「ふふふ、まだまだ時間はタップリありますし、その悩む課程も楽しんで下さい。ただ言える事は、別に1人に絞らなくても、良いんじゃないですかね?
あと、プリシラさんも、フェスさんも本気の様でしたし。
まあ、海渡さんが好むと好まざろうと・・・ふふふ・・・ハーレム属性はついて回りますよ?」
と・・・。
「えーー? それは最後に嫌な事を聞いてしまいましたね・・・。何とかこれ以上は回避しないと・・・。」
と焦る海渡。
「でも私としては、海渡さんの子孫が増えてくれる事は、この世界にとっては良い事なんですがね。」
とニヤリとする女神様。
「あ、そうそう、ユグドラシルの金色の実の種、まだ残ってますよね? 出来れば、各大陸に1つずつ植えて貰えますか?
今は海渡さんの大陸にある絶界の森の1本と海渡さんの王宮の後ろの1本、合計2本しか生えてないので。」
「了解しました。」
と海渡。
そう、金色の実の種だけは、ユグドラシルの木が生えるのである。
海渡が王宮を建てた時に、裏側に植えたユグドラシルの種は、現在もグングンと成長中で、国民にはまだユグドラシルの木だとは教えていない。
ある程度成長し、余計な事にならないぐらいに大きくなったら、発表する予定である。
「では、そろそろ時間ですね。また何かあれば気軽に遊びに来て下さいね・・・・」
と声が遠いていき、祭壇の前に戻ってきた。
「ふぅ・・・、疑問はかなり解消されたけど、悩みがシフトしただけだなwww まあ、少し気は楽になったけどw」
と海渡は呟きながら、王宮の部屋へと戻るのだった。
部屋に戻った海渡は、地下工房のサーバルームへ行き、既存の善悪判定用のプログラムを変更し、対エストニア偵察監視ドローン用の物を作成した。
各地の判定結果は色分した○でタブレットのマップに表示される。
緑が良好、黄色は微妙、赤は最悪・・・と言う感じである。
ゲートでエストニア王国の各都市へ繋ぎ、次々とドローンをバラ撒いていったのだった。
一応、各地の都市はある程度人海戦術で調査する予定ではあるが、その補強材料として、データは多い方が良いだろうと言う事である。
「よし、これで3~4日ぐらい経てば、ある程度の判定結果が出るだろう。」
と満足し、絶界の森で、絶賛実戦トレーニング中のジャクリーンさんの所へと合流するのであった。
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