第426話
「さあ、昼飯にしよう! ジャクリーン、何処かお薦めの定食屋ってある?」
と海渡がジャクリーンさんに聞くと、
「はい、ダーリンのお口に合うか判りませんが、庶民や冒険者に人気のある定食屋がこの近くにあります。
高級レストラン的なのもありますが、そう言うのはお好みじゃ無いでしょ?」
とジャクリーンさん。
あ、ジャクリーンさんへの呼び名が、呼び捨てに変わっている件なのだが、今朝の討伐~あの青い火柱の一件がトドメとなり、なんか変なスイッチ入っちゃったらしくて、憧れとか言うより崇拝モード入っちゃって・・・。
結局、本人たっての希望で呼び捨てに落ち着いたんだよね。
「お!流石良く判ってるじゃんww やっぱり、仲間と食べる普段飯は堅苦しいのは避けたいよね。」
と海渡が言うと、
「了解しました。ではこちらへ」
と道案内してくれた。
てっきり、ご飯の出る定食屋かと思ったのだが、お米は収穫量の問題で、高級品扱いらしく、一般的にはパンやパスタがメインらしい。
で、連れて来られた店は、大衆食堂のイタリアン的な店。
「ビックリだな・・・イタリアンで攻めて来たか!」
と驚く海渡。
「何ですか? そのいたりあんって?」
とジャクリーンさんが聞いて来たが、『ああ、それは元の世界の・・・』とは言えないので、
「うーーん、こう言う料理の種類をイタリアンって俺は聞いてたんだよ・・・親からね。」
と海渡が答えると、一応納得してくれた。
「あ、これは海渡が前に作ってくれた、ピザって言う物ですよね? いっぱい注文しちゃいましょう!♪」
フェリンシアの目がキラキラしている。。
結局、11名で定番~色物までピザ10種類を4周も食べてしまうと言う事に。
ああ、勿論パスタも食べたよ? 久々に食べたカルボナーラは最高に美味かった。
前に自作しようと試みたんだけど、ワンスロットのパスタは、微妙に味が違って、美味く再現が出来なかったんだよね。
当時の料理スキルLvのせいかも知れないけど。
思わず、大将にお願いして、大量のカルボナーラをお持ち帰りしたったww
ラザニアも滅茶滅茶美味しくて、他もお薦めの品を何品か追加して貰った。
「大将! おご馳走様!! いやぁ~久々に美味しいピザとパスタ食べたよ!! また来るね!」
と海渡達がご機嫌で大衆食堂を後にしたのだった。
午後からは、ジャクリーンさんの強い要望で、魔法の講習を行う事になった。
元々全属性を持っているのだが、「剣士たるもの、剣で勝負!」とかって全く使ってなかったらしい。
「実に勿体ない。剣士であろうと騎士であろうと、最終的に負けたら終わりだよ。守るべき者も守れずに終わっても意味が無い。
第一、魔法たって、ファイヤーボールとかの攻撃魔法だけでなく、補助系の魔法だってあるんだから、習得しないのは怠慢でしかないぞ?」
と海渡が言うと、
「はっ! 宜しくお願い致します!」
と片膝を付いて躓かれてしまった・・・通りの真ん中で・・・orz
街行く人の視線が痛いから、本当に勘弁して下さい・・・。
魔法という事なので、広くて壊しても良い場所! と現在王宮横の騎士団の訓練場へと来ています。
ついでと言う事で、アーサーさんの許可を得て、白騎士団の底上げをする事にした。
「ども!ラリーさんw」
と軽い感じで挨拶する海渡。
「どうも、カイト様、今日は宜しくお願い致します。」
と新団長に就任したラリーさんが挨拶する。
白騎士団全員が勢揃いしている中、海渡はジャクリーンさんを見本として、身体強化や身体加速の効果を見せる。
通常の状態でジャンプさせ、身体強化後に再度ジャンプさせると、軽く10mぐらいまで飛び上がり、
「「「「「「「「「うぉーー! 団長が、とうとう人間辞めたーーー!」」」」」」」」」
と驚愕の声があがる。
そして、
「「「「「「「「「宜しくお願いします!(僕らも人間辞めます!)」」」」」」」」」
と全員が直ぐに有用性を理解して、声を揃えた。
海渡はドーピングを行い、魔力感知~クロックアップまでのスキル講習会を開始した。
ジャクリーンさんは、フェリンシアとステファニーさんに委ねて魔法の特訓をして貰う事にした。
2時間半程の特訓で、どうにか全員にクロックアップまでスキルが生えたが、約200名の白騎士団全員が訓練場にぶっ倒れていた。
頻繁にハチミツ水を飲ませた為、
「もうお腹がガボガボです・・・」
と最後の1杯は拒否されてしまったww
一方、ジャクリーンさんは、その多才ぶりを発揮し、ドンドンとスポンジの様に吸収し、一通りの属性魔法を習得していた。
もっとも、まだ飛ぶ段階までは来て居ない。
海渡は、ラリーさんに、戦闘シミュレータを10セット提供し、日々身体強化、身体加速、クロックアップを使った戦闘訓練をする様に勧めたのだった。
「おお! これは面白いですね! 何か数値と言うか点数というか、自分の現状が判るのが、凄く良いですよ!」
と大絶賛。
その後、休憩で復帰した騎士達が、挙って戦闘シミュレータを試し、点数を競っていたww
訓練開始から、4時間が経ち、ジャクリーンさんが飛行魔法を習得し、全員の前で、遅いながらも飛行を披露し、
「「「「「「「「「うぉーーー!!!!」」」」」」」」」
と拍手と歓声が揚がっていたのだった。
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