第356話
3階までの階段は長く通常のビルで言うと、約20階分以上だった。
おそらくは、天井が異常に高かった謁見の間のせいだろうと推測していた。
やっと3階につくと、そこは、幾つかの部屋があり、1つは滝の様なお湯が流れ落ちる風呂になっていてた。
別の部屋には、寝室になっていて、クローゼット?には、耐火が付与されたローブであったり、認識阻害が付与されたローブであったり、色々なローブが並んでいた。
宝石箱?には、俊敏2倍が付与されたブレスレット、耐物理攻撃シールドが付与されたブレスレットやネックレス、魔力を補うブレスレットや指輪、耐魔法シールドが付与されたブレスレットやネックレス等等。
最後の部屋は、食堂の様なテーブルのある部屋で、特に何かがある訳ではなかった。
「なんか、最後は締まらないなぁwww 一番良かったのは、風呂?」
と海渡が笑う。
せっかくだから、風呂に入ろうと言う事になり、先に女性陣に入って貰う事にした。
長風呂を覚悟していたのだが、意外に30分で女性陣が出て来た。
一応、クリーンだけ掛けて入ったとの事だったが、疲れが取れてサッパリしたらしい。
海渡とラルク少年もクリーンを掛けてから、風呂に浸かると、確かに疲れが取れている気がする。
「ラルク、しかし今更だけど、考えれば、男って俺とお前だけだな。もうちょっと男を増やすかww」
と海渡が言うと、苦笑いしていた。
15分くらいで、風呂から上がり、食堂でアイスティーを飲んでる女性陣と合流した。
海渡も冷たいミルクを2杯出して、ラルクと飲んで休憩する。
「それなりに面白い所だったけど、第5階層への階段という意味では、ピラミッドは外れだったな。
あと3箇所のうちのどれか・・・。まあ結構長く楽しめそうだし、安定して美味しい物を採取出来るし、良いダンジョンじゃないかw」
と海渡が笑うと、みんなも同意していた。
「ところで、相談と言うかお願いなんだけどさ、ここで出たマギ宝石、出来れば全部俺に譲って欲しい。まあ扱いがヤバいと大爆発を起こすってのもあるけど、
あまり、市場に出しちゃダメな気がするんだよね。使うとしたら、安全に生活の役に立つ物として使いたいし・・・。
確かに市場に出せば、凄い金額にはなるだろうけど、それを悪用されると、下手したら、この大陸全体が人の住めない場所になる可能性もあるからね。」
と説明した。
「え?兄貴、その大爆発って、そう言う規模の爆発なんですか?」
とラルク少年が驚いて聞き返す。
「エネルギー量からして、俺(智恵子さん)の計算だと、今日見つけた一番小さいサイズの奴が、この大陸の中心で爆発した場合、大陸全体が消滅する。
その爆発と爆風、それに伴う津波から逃れて生き延びたとしても、その時の粉塵で空が覆われて、太陽の光が遮られ、1000年以上極寒の氷河期が訪れ、この大陸以外の場所に住んでいる生物は、ほぼ死滅するだろうな。」
と海渡が解説すると、弟子ズはガクブルしていた。
「そ、それはシャレになりませんね。」
とミケが呟く。
「うん、だからこそ、下手な奴の手に渡しちゃダメだと思うんだ。本来なら、全員で得た利益は均等に割るべきだとは思うんだけどね。」
と海渡が言うと、
「うちは、別に全部権利要らんで? 美味しい物さえ分けてくれればwww」
とステファニーさんが言うと、フェリンシアもウンウンと頷いていた。
「兄貴、おいらも別に分け前とか要らないっす。正直な所、元々鍛えて頂いて感謝してますし、こうして連れて来て貰えただけで嬉しいっすから。」
とラルクが言うと、アン、サニーも同じらしく、同意していた。
「ボス、私も同じです。」
とケモ耳ズ4名が同意。
「そうか、ありがとう! で、ものは相談なんだが、何も無しだと寂しいからさ、この最初にGetしたオリハルコンの魔剣や魔盾、後はラーが使ってた杖とかをオークションに出して見ようよ。
で、その収益はみんなで山分け! どうよww」
と言うと、全員笑って、お任せします との事だった。
そして、セベクの使ってたミスリルの剣や槍シリーズは、商会の武器庫に入れて、孤児支援組とかの冒険者志望等に出す事にしたのだった。
気が付くと、午後5時を過ぎていたので、ゲートで宿舎へと戻った。
仕事の終わったオスカーさんを見つけ、本日の戦利品をオークションに出したい事を告げて聞いてみると、
「ああ、オークションなら、王都で毎月開催されていますね。どうします? こちらで手配して出しましょうか?」
との事だったので、お願いして、オリハルコンの魔剣、魔盾、ラーの杖、ミスリル製フルメタルアーマーを渡した。
「お!これは!!!」
と目を剥くオスカーさん。
「うん、そこそこ凄い感じなんだけど、使い道ないからさw 弟子達も使わないって言うし・・・」
と海渡が説明すると、笑っていた。
早速、今月の12日にあるオークションに出してくれるそうだ。
オスカーさんは、時空共有倉庫に入れて、王都支店の店長に連絡し、すぐに出品の手続きを取ってくれる事になった。
「これはどれくらいの金額になるか、楽しみですねwww ちょっと最近金銭感覚が狂ってしまいそうで、怖いですww」
とオスカーさんが笑ってた。
「あーー、確かにそう言うのあるよね。 かと言って、自分で欲しい物とか買う物って、食べ物ばっかりで、そんなに金額掛からないしね。」
と海渡が言うと、
「それは、カイト様だからですよww 私なんか・・・いやこの商会のスタッフほぼ全員、食費も殆ど掛からないし、まあ女性は化粧品とかアクセサリーに使うかもしれませんが、男性はお酒ぐらいでしょ。
しかも、うちはお給料良いから、貯まる一方で。気が付くと、凄い金額になっててビックリなんですが、普段取り扱ってる金額も大きいし、麻痺してしまってます。」
と言っていた。
そうか、従業員もあまりお金使ってないのか・・・。
じゃあ、やっぱり学校を作って地域に還元するしかないか。給食付きで。
15日が過ぎたら、計画を実現させよう・・・ と考える海渡であった。
それから、厨房に行き、アニータさんに新たに本日得たダンジョン椰子ガニを渡した。
「ああ、これだけあれば、全員で十分に食べられそうです!! 明日の夕食にでも出す方向で考えますね!」
とアニータさんも笑顔で胸を叩いていた。
夕食ギリギリに、ヨーコさんがコーデリアから戻って来た。
コーデリア支店はどうだった? と聞くと、バッチリです!と親指を立てていた。
カフェはオープン初っ端から大入りで、大変な状態だったらしい。
常に外に数十人の待ち行列が居たらしい。
また、ラピスの湯がもっと凄く、予想以上に大人気だったそうだ。
あれなら、もう1店舗ラピスの湯を作るべきかも知れないと、ヨーコさんが言っていた。
コーデリアの場合、一番の問題点は、店舗になる土地と、従業員の確保・・・これがクリア出来るのであれば、考えるかな。
でだ! 話によると、オープンしたラピスの湯の前を、悲しそうな顔の王様が、何度か行き来してたらしいwwwww
しかも、幾度かドロスさんが慌ててやって来て、拉致して帰ったそうな。
「諦めの悪い奴だなwww」
と海渡が爆笑すると、
「まあ、アレでも一応王様ですから、敬わないと・・・」
と苦笑していた。
あとは、奴隷商の所に借金奴隷が5名居たので、その5名を購入して、スタッフに追加したとの事だった。
夕食を食べ、風呂に入った後、地下工房の時空共有倉庫に、本日の戦利品のインゴットや、ミスリルの武器を整理して仕舞い、大量に入っている砂漠の砂から、各金属のインゴットを精製するラインを作成した。
精製されたインゴットはそのまま各金属専用の時空共有倉庫に保管される様にしている。
さて、問題はマギ宝石なのだが、全部金庫型の時空間共有倉庫に保管する様にした。
棟梁の所を確認し、完成した統合型の宿舎を収納し、新しい物を立てた。
キャンピングカーも全台数完成していたので、収納して、新しいキャンピングカーのベースを3台置いておいた。
そして、ショールームを20軒程作ってから、部屋に戻ったのだった。
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