第338話


異世界3ヵ月と12日目。


今日から仕事始めだ。

まあ、海渡自身はあまりいつもとヤル事は変わらないのだが・・・。


目覚めた後、地下工房で、ドリンガさんにあげたベルトサンダーやヤスリ等の補充を行う。


更に、今回のサルド共和国での多人数での移動が面倒だった事もあり、大型のトラックやバスのプラットフォームを作成する事にした。


まあ、元々現在の自動車のフレーム自体は大柄なのだが、それを更に延長し、横幅も少し大きくする予定である。

サスペンションのアーム類も補強し頑丈にするべきか? と考えたが、元々があり得ない強度なので、そのまま流用する事にした。

但し、リヤショックは重量物を乗せる事を念頭に、リヤをツインショックにする事にする。


フレームは全長を3m伸ばし、横幅を70cm大きくした。

スプリングは、フロントを15kg、リアを20~350kgの可変レート(魔力によって可変)としてとして様子を見る事にする。

ここは、リーフスプリングの方が良いのかな? とも思うのだが・・・新規に作るのが面倒なので・・・。

リヤタイヤもツインにした。

結果、車体サイズ的には2tトラックと4tトラックの中間ぐらいかな。

一応、城門を十分通過可能なサイズにはしている。


運転席は前輪の上にある自衛隊のトラックの様な直線的デザインにする。

コクピットのモックアップを作成した所で、時間切れ。



ゲートで部屋に戻り、フェリンシアと一緒に地下訓練場へ。

久しぶりで、気合い十分のラルク少年とアン、サニーの3名と、プリシラを加えた新生ケモ耳ズがやって来た。


このメンバーの中では、後発で加わったプリシラが一番出遅れてるな・・・。

と言う事で、ある程度足並みを揃える為、魔法全属性の習得を優先する事にした。


プリシラの許可を得て鑑定を行うと、


**********************************************************************

 名前:プリシラ

 種別:狐族

 年齢:6歳

 Lv:18

 状態:正常

 HP:1228/1228

 MP:685/685

 筋力:981

 俊敏:1051

 武術:小剣術Lv5

 魔法:火Lv1

 スキル:暗視 視力強化 嗅覚強化 聴覚強化 気配察知Lv3 調理Lv2

     身体強化Lv2 魔力感知Lv2 魔力操作Lv2 身体加速Lv1

     クロックアップLv1

 称号:

 説明:海渡を群れのボスと崇める者

**********************************************************************


なるほど、火以外は全滅か・・・。

と言う事で、水、風、土、光、闇、聖、時空間の7属性を全てを一気に生えさせる事にする。

まず、念のためにドーピングし、水から・・・~~(ry

 ・

 ・

 ・


結局マンツーマンで1時間費やし、何とか水、風、土、光までは生やす事に成功した。

続きは食事の後となる。


既に、何度も骨粉入りハチミツ水を飲んだだ為、

「お腹がガボガボです・・・」

と口に手を当てて、唸って居るが、ドンマイw



大食堂に上がり、食事の前に一言、「今年も宜しく!」と声を掛け、食事を平らげる。


オスカーさんには、王都支店に王宮へユグドラシルの実1つ、タンカー・ホエールの肉ブロック30kg、サンド・ワームの肉ブロック30kgを配達して貰うように、連絡をお願いしておいた。

ヨーコさんへは、明日か明後日ぐらいに、コーデリア支店へ研修の終わったコーデリア組を戻す様にお願いする。

あと、ケモ耳団の中の数人は航空部隊に回し、サルド共和国⇔トリスター間の便のパイロットにするようにお願いした。


うん、お願いすべきはこれぐらいか?



と言う事で、早速プリシラの魔法特訓を再開する。

残りの闇、聖、時空間を約1時間掛けて、習得完了。


朝からグッタリしていたので、

「ハチミツ水飲んでおくか?」

と聞いたら、


「いえ・・・暫くは飲みたくないです。」

と口に手を当てて、恨めしそうな目で拒否されたw




午後9時になり、本店がオープンすると、初っ端から客足が凄く、凄い勢いで売れている様子。

しかし、休みボケでマゴつく者はなく、テキパキと客を捌いている。


流石はうちのスタッフ達。タイミングは相談して、もうちょっと給料上げるようにしよう。


フェリンシアに、

『午後にでもダンジョン行く?』

と伝心でお伺いを立てると、

『OKです~♪』

と即答が来た。


よし、それまで地下工房でトラックの続きやるぜw

コクピット部分は完成したので、荷台部分の制作からだな。

と言っても簡単にヒンジで3方の羽板を開けたり閉めたりするだけなのだが、これだけじゃあ面白くないので、

乗合馬車の様に、横向きのフラットシート(折り畳収納型)で荷台からポップアップするようにしてみた。

所謂軍用トラックの様な感じだね。


フロントウィンド、ドアガラス、バックウィンドのモックアップからデータを取ってを作成した。


ドアや羽板のヒンジ、ロック機構、ライト類もパーツで作成し、他に作成漏れが無いのを確認してから、組み立てに入る。



「むふ。出来たな。」

完成したら、やはりまずは試乗だな♪



「と言う事でやって参りました、絶界の森の北側の前!! さあ、逝ってみようかw」

と宣言する海渡。

場所は以前に試乗をしたのと同じ、絶界の森の北側の前の草原。


ドアを開け、一際高いトラックの運転席に飛び乗り、ドアを閉め、シートをアジャストして、シートベルトを締める。

メインキーをONにして、アクセルを踏み込みと、いきなりゴツゴツとした乗り心地で結構厳しい。

一旦、トラックを止めて対策を考える海渡。


「バネレートのせいだとは判っているものの、一方的に弱くすると、荷物を載せた場合に厳しい事が予想されるし、難しいな。」

そう、元の世界の自動車やトラックはそれなりの自重があるので、乗員や荷物を載せても、大半が車両自体の重さなので、影響が少ない。

簡単に言えば、1トンの車体に50kgが増えても、全体の4%に過ぎないからである。

トラックの場合、元々車重自体が重いのが普通なのだが、このトラックの決定的な違いは、異世界の夢の様な素材で作った事で、車両自体の重さが軽自動車より軽く、400kg強しかない事。

トラックなのに、ライトウェイトスポーツカーより軽いwww


これに10トンの荷物や、40人の乗客の重量・・・約3トンぐらいとしても、空荷の時と、フル荷の時との重量差が大き過ぎる事が問題で、バネレート等を決めかねたのが原因。

一度、地下工房に戻り、ジックリ対策考える。


足回りをばらし、考えた結果、飛行機の事を思い出して、

「ん?だったらそもそも荷台の重さを重力魔法で均一にしちゃえば良いんじゃねーの?」

と思いつく。

ショック回りを全て、乗用車と同じ物に変更し、リアもツインショックからシングルショック、シングルタイヤに戻した。


そして、魔動CPUの処理プログラムを変更し、荷台側の重量を軽減し、200kgになる様に設定した。

これで、空荷でも、20トンの荷物を積んでも、自動車と同じサスで行ける筈。

早速組み上げて、再度草原に戻って試乗開始。


自動車と同じサスに戻した事で、乗り心地もハンドリングも、ガラリと変わり、軽快に走る事が出来る。

一旦止めて、今度は荷物代わりに、アイテムボックスから適当な物を出して20トン分積み込んでみた。


そしてテスト走行を開始するが、結果は空荷の時と同じまま。


「やったねw これで良いんじゃね?」

と喜びながら、ゲートで戻り、地下工房で足りない製造ラインと組み立てラインを作成する。

基本カラーはつや消しのオリーブ・グリーンにして、荷台の幌フレームと幌も追加する様にした。


製造ラインを起動し、トラックはOK。


ついでに、同じプラットフォームで、バスを作成する。

コクピットを延長し、ワンボックス形状にする。

乗客用の出入り口をボディの運転席の横に付けてステップを作る。

乗客用のシートは、飛行機の座席を流用する事にした。

更に、手すり代わりのロールバーを組み込む。

あとボディ中央の下部に、飛行機と同じ、時空間収納を設置する事にした。

全ての窓はパワーウィンドで開け閉め出来るようにする。


ボディパーツの製造ライン、増えた窓ガラス専用の製造ライン、乗客用のドアの製造ライン等を作り、組み立てラインを製造する。

ふふふ、ボディカラーはパンプキンイエローにしたwww。


1台が出来上がった所で、早速走行テスト。

再度お馴染みの草原にバスをだし、走行開始。


「走破性も、乗り心地も、ハンドリングも全く問題ないなw」

と10分の走行を笑顔で終了。


ゲートで地下工房に戻り、生産ラインを起動した。

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