第318話

間違って2話分を317話に入れてしまって居たので、1話分をこちらに移しました。

よって、318話は、旧317話の後半部分となります。


===============================================

スイーツタイムが一段落し、奥様方が海渡にグイグイと詰め寄る。

「カイト君! このスイーツとか言う物は何処で手に入るんですか?」


「ああ、これは当方のカフェ・・・お店で販売している物でして。今回こちらに来たのは、コーヒーとスパイスの購入や、拠点又は店舗を出せればとやって来た次第です。」

と説明した。


「「「「あなた(とーしゃま))!!!」」」」

と獣王に詰め寄る奥方ズ&フェスちゃん。


「ああ、判ってるってww」

と手で制し、苦笑する獣王。


「で、カイ坊、どれくらいの敷地あれば良いんだ?」

と獣王が聞いて来た。


「うーーん、出す店の種類にもよるんですよね。スイーツの店だけか、魔動自動車を含む魔道具等を販売する商会店舗も置くか、温泉も作るかによるんですよね。

なので、市場調査とかをしようと思ってました。」


「ん?温泉??」


「ああ、温泉と言うにはですね・・・~」

と説明すると、これまた奥方ズ&フェスちゃんが食いつく!



「コーデリアにも結局成り行きで、拠点作ったんですが、魔道具に関しては、縁あってロデム商会さんの所にお願いして、カフェと温泉だけを作ってますね。

と言うのも、ワンスロット国内で急激に店舗展開せざるを得なくて、丸っきり人員が足りてなくて、とても他国まで支店展開出来る状態じゃないからなんですがね。」

と人材不足を伝える。


「ほう、カイ坊の所の支店数ってどれくらいあるんだ?」

と聞かれ、


「今はトリスターの本店を合わせて、73店舗、無人の出張所が121町村、それに来年オープンするコーデリア王国の王都にカフェと温泉が1つです。」

と答える。


「ほう!それは凄いな!! 親から継いで増やしたのか?」

と獣王。


「いえ、獣王様、ボスは、3ヶ月前にご自分で商会を立ち上げて、現在ではワンスロット王国一の商会になられたんですよ!」

と自慢気にミケが補足した。


「え? 3ヶ月? マジか!!」

と唖然とする面々。


「まあ、トリスターの領主様や、周りのスタッフに恵まれまして、トントン拍子に増えました。」


それからは、ミケがどんなにさえじま商会が凄いのかを、その待遇の良さを、製造する魔道具の凄さを熱く語り、更には海渡とフェリンシアの人外な強さとその指導っぷりを、そして自分らが救われた話を一気に喋り、自慢気に胸を張っていた。


獣王と奥方ズは驚き、フェスちゃんは目をキラキラさせていた。


「そうか、同胞を救ってくれてありがとう! カイ坊をボスと呼ぶ気持ちが十分に分かったよ。」

と獣王が頭を下げ、お礼を言う。



「いえいえ、元々人員補充という名目があったし、それに彼女らの仲間を思う気持ちが伝わったので、出来る事をしたまでです。

仲間を救う為に最大限の事をやるって、なかなか出来る事じゃないですからね。

自分は何も努力せず、ただ口を開けて待ってる奴には手を貸したりしません。

人を妬まず、僻んだりもせず、努力をする人には、多少の切っ掛けを作るだけで、人生大きく変わる事もありますから。

私もそう言う縁に恵まれた1人ですし。」

と誰でも無条件に助ける訳ではない事はキッパリと伝える。



「ところで、サルド共和国では、孤児とかってやはり教会の孤児院で面倒を見ているんでしょうか?」

と聞くと、


「ああ、孤児な、 まあ獣人の場合は成長が早いってのもあるが、割と逞しいんだよね。

教会の孤児院にも孤児は居るけど、そんな風だから結構直ぐに巣立つんだよ。

まあ、スラムにも一定数居るんだがな。

首都以外だと、割と同じ種族に別れた集落が多いから、その場合は集落で面倒を見る感じが多いな。」

との事だった。


ふむ・・・じゃあ後で教会に行ってみるか。


「あ、あと飛行機ですが、ワンスロット国内とコーデリア王国の王都には飛行場を作らせて貰って、定期便を飛ばす事にしているんですよ。

良ければ、サルド共和国もご許可頂ければ・・・と。」

とお願いしてみると、即答でOKを貰えた。

絶界の森方面の東門の側に飛行場を作って良いとの事。

もし、その部分で木が邪魔なら伐採OKらしい。

スパイス、コーヒー、飛行場の件の許可証を後で渡してくれるらしい。


で、魔動自動車と飛行機を売ってくれとなり、魔動自動車20台、飛行機2機をお買い上げとなった。

飛行機は侵略戦争等に使わない等の条件も了承された。

また、拠点となる敷地だが、商売にも使えるある程度の大きさの敷地もあるので、幾つか候補を見て決めて良いとの事。

建物の大きさ高さには特に制限は無いらしい。(地下も制限は無い)

この国の奴隷についても聞いたのだが、他国同様に借金奴隷と犯罪奴隷があり、ルール的には他の国同様との事。



ついでに、途中で助けたゴンザレス商会の評判を聞いてみると、悪い噂も無く、悪どい商売をする商会ではないらしい。



「カイ坊、せっかくだから、飯食っていけや! 嘘でも王宮料理だからwww」

とのお誘いを頂いたので、チラリと横を見ると、ウンウンと熱い目で海渡を見る、涎を垂らしたフェリンシアとステファニーさんが居た。




食堂へ移動する間、

「なあカイ坊、その熱く語るスパイス熱だが、何故そこまで?」

と獣王に聞かれ、カレーライスを作りたいと説明する。


「ふむ・・・カレーか・・・聞く限り、カラミティシチューと似てる感じがするなぁ。」

と待ちに待った激アツな情報頂きました。


「ほう!! それは是非とも食べてみたいです!」

と前のめりになる海渡。


「多分、料理長が作ってくれていると思うぞ? 何か色々美味しいのを作ってって言ってあるから。」



「しかし、聞いてると、スパイスとかコーヒーとかの許可と言っているが、商売の儲けの為ってよりも、何か自分の食欲の為に思えてきたな。」

と鋭い獣王。


「ふっふっふ、何をバカな事をww そんなの当たり前じゃないですかww」

と不敵に笑う海渡。


「食べる喜び無くて、何の人生か!ですよw」

とドヤっと胸を張る海渡。

ウンウンと頷くフェリンシアとステファニーさんの食いしん坊万歳コンビ。


「カイ兄しゃま、カッコイイでしゅ❤」

と目をキラキラさせるウサ耳フェスちゃん。



「おいおいフェス、今のは別に『良い事』を言った訳じゃないからな? 騙されるなよ?」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る