第288話
地下を案内している内に、丁度昼食時となり、
「もし宜しければ、うちの大食堂のご飯を食べて行かれませんか? 多分、そんなに悪く無い味だと思いますよ。まあ従業員達と同じメニューで申し訳ないのですが。」
とお誘いしてみたら、是非と言う事になり、大食堂へとやってきた。
一応、応接室に運ぼうかとも打診したんだが、せっかくだから、従業員達の様子を見ながら食べたいとの事だったので、ヨーコさん達に頼んで、席を確保して貰った。
「通常、あそこのカウンターからトレイで受け取って、好みによって、選択して食べる感じです。足りなければ、何回でもお替わりは自由です。」
と教えた。
「お、本日のメニューは、洋食はデミグラソース煮込みハンバーグで、和食は肉じゃがと焼き魚とおひたし、味噌汁だなw」
と喜ぶ海渡。
「ほう、これはどっちでも良いのか? 私らが取って、他の誰かの分が足りなくなるって事は無いのか?」
と心配していたので、
「大丈夫ですよw 大量に作ってますから、そこそこの大食いが居ても十分に余る様にしてます。
時間経過が止まる倉庫に入れてますから、無駄にもならないし。 どうぞ、お替わりの時に別のセットも食べて良いですし、ご遠慮なく。」
と心配を払拭しておいた。
それぞれが、好みのトレイを持って席に座って、いただきます。
「「「「!!!」」」」
一口食べたアルマーさん御一家、言葉を失っているw
ふふふ、何気にアニータさん、スキルレベルと腕を上げて、最近は他の調理スタッフもメキメキ腕上げてるからなぁw
「か、カイト君、君らは・・・と言うかここの全員は、みんなこんな料理を毎日3食食べてるのかい!? いや~、これは絶品だなww
(俺も毎日食いに来ようかな?)」
とか言っていた。
「最近料理長もスタッフも、腕上げて滅茶滅茶美味しいんですよ。この延長ならレストランも行けそうな気がしませんか?」
とニヤリと笑う海渡。
と、そこへドヤドヤと棟梁達が雪崩れ込んで来た。
「おい、坊主! 聞いたぞ!!!! 昨日の夕食に、何かスゲー鯨の魔物が出たとか? おい、頼むから俺らにも食わせろよ!!!!」
と懇願しているw
「ふふふ、大丈夫ですよ、アニータさんに出す様に言ってありますからw カウンターで貰って下さいw」
と言うと、
「おう! おめーら、行くぞ♪」
とカウンターへドヤドヤと突進して行った。
「何? タンカー・ホエールの肉って、ここの全員食べたの?」
と驚くアルマーさん。
「ええ、ここと言うか、全店舗の全員とその家族も食べてますね。 いやぁ~、思った以上に美味しかったので。
昨晩の夕食はみんな狂喜乱舞してましたねw お替わりする者が続出と言うか、全員お替わりしてみたですね。」
と昨日の有様を目に浮かべながら、笑っていた。
アルマーさんは、余りの好待遇ぶりに、若干引き気味。
「いや、うちも貰っておいて言うのも変だけど、タンカー・ホエールの肉ってお伽噺に出て来るだけで、普通食べられる物じゃないからね?
それこそ、オークションに100gぐらいの塊が出たら、黒金貨が100枚ぐらい動く可能性あるからね?」
とアルマーさんが力説していた。
何か、オスカーさん達の推測より、値段上がってるし。
「えー!そんなに高いんですか? だって、1匹で200mぐらいの大きさですよ? 肉なんて10トン分ぐらい余裕で取れますよ? まあ解体はその分、面倒でしたけどね。
まあ、そんな訳で、そのお伽噺を知らない俺としては、そこまでお金を出して食べたいって気持ちはあまり分からないですね。まあ、量も大量にあるので、それならみんなで分かち合った方が良いかな?
っと思いまして。まあそれにあと29頭持ってますしwww」
と思ったままを言ってみた。
「え?1頭だけじゃなかったの? 他に29頭??」
と軽くパニックになっていた。
「ええ、タンカー・ホエールって群れで居るから、1匹だけ狙うのは難しいでしょうね。 元々は自動車を作るのに必要な素材だったから、何も考えずに成り行きでww
で、解体してみると、何か美味そうだったんで、試しに食べると、滅茶滅茶美味しかったからw」
と説明するのだった。
結局、アルマーさん達は、洋食を食べた後、更に和食までも食べて、大満足していた。
午後は、2階の託児ルームを見学し、教室や会議室、3階の親子施設や孤児支援施設、4階の従業員宿舎等を見学。
そして、5階の海渡らの部屋や、大浴場を見せると、
「ねぇ、カイト君、大浴場ってのは、やはり入ってみないと、判らないよね?」
と訳の分からない理屈で、入浴する事になる。
「おお!ここからの展望は凄いなぁ!」
と展望風呂を堪能していた。
そして、最後は屋上の庭園に案内して、ラピスの泉とが屋上にある事を驚いていた。
最後に、1階の応接室で、コーヒーとケーキを食べ、満足気に帰っていったのだった。
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