第251話


女性陣がやっと、風呂から上がったので、入れ違いに海渡ら男性陣チームが入る。


湯船に浸かりながら、

「ドロスさん、そんなに温泉気に入りましたか?」

と聞くと、


「ああ、これ、本当に最高だよ!! 特に精霊と深い関わりのある、我々エルフやドワーフにとっては、堪らないよ!

毎日でも入りたいぐらいさ。」

との事。


「そうか・・・倉庫を潰して『ラピスの湯』作ろうかなぁ・・・」

と呟くと、ドロスさんがガバッとこっちを見て、


「王家をあげて、援助するから、是非頼むよ!!」

と言った。


「ちなみに、これ、地域還元の一環なんで、基本的には、貴族や王家ではなく、一般市民向けですからね?」

と念を押すと、


「そこら辺は大丈夫ww 僕ら、あんまりそう言う身分差とか気にしない方だからw」

と笑いながら言う。


ふむ・・・まあ、どうするかは別として、取りあえず、作るだけ作るかな・・・。



と言う事で、風呂上がりで火照る体をコーヒーミルクで冷やしつつ、屋敷の外に出て倉庫を確認する。


倉庫の敷地だけで、余裕を持って王都型の温泉施設が収まる事を確認し、巨大なアイスカッターで倉庫と地面を切り離し、格納した。

土台を地下10mまで固め、温泉施設を設置し、土台と融合させる。

中に入り、地下の洞窟風呂を作成し、ラピスにお願いして、いつもの温泉セットをお願いする。


お礼を言いつつ、ラピスに、きな粉餅をあげたら、きな粉だらけになりながら、鳥もちに引っかかった鳥の様になりつつも、全部完食。


「ラピス、それお餅って言うんだけど、こんどそれで、もっと美味しいスイーツ作ってあげるね!」

と言うと、


「ふふふ、楽しみにしてるわよ!」

ときな粉をティンカーベルの妖精の粉の様に舞い散らしながら消えていった。



取りあえず、建てみたが、どうするかなぁ・・・。

15分くらいで、屋敷のリビングに戻りつつ考えるが、出来ればやはり現地のこの王都に住む人を雇いたい所だな。


「ん?何処いってたの?」

とドロスさん。


「ああ、ちょっと倉庫を見て来たんですよw」

とニヤリと笑う海渡。


その笑顔を見て、ドロスさんがガバッと立ち上がり、慌てて玄関の外に出ると、

「あーーーー!!!」

と絶叫が聞こえたw


絶叫を聞いたサチーさんとステファニーさんも慌てて玄関から外に出て行き、

「「あああーーーー!!!」」

と2つの歓喜の絶叫が聞こえた。


「もしかして、温泉作ったんですか?」

と察しの良いフェリンシア、ニヤリと笑いながら聞く。


ウンと頷く海渡。


「ふふふ、でもスタッフどうします?」

とフェリンシア。


「そう、そこが問題なんだよねぇ・・・。まあ、ドロスさんが協力してくれるって言うし。」

と席を立ち、玄関の向かいながら言う。


外に出て、呆然としてる3人を『ラピスの湯』の中へと案内する。


「ここが言っていた、『ラピスの湯』です。

ここで、お金を払ってもらい、男女別々に脱衣所へ入ります。

この脱衣所にはロッカーがあって、腕輪型の鍵で衣服を入れてロックします。

ここが洗い場ですね。地下に洞窟風呂もありますよ。」

と階段を降りて、地下の洞窟風呂へと案内する。


「おおお!思った以上に広いし、凄いな! これ是非とも早めに開店してほしい!」

と大乗り気のドロスさん。


「うん、これは本当に凄い・・・と言うか、ここまでの物を15分で???」

とサチーさん。


「まあ、建物は建設済みのをアイテムボックスに常時持っているので、適切な大きさの敷地さえあれば、直ぐに設置出来ますね。

15分でやったのは、設置した後、この地下の洞窟温泉だけをその場で作り、ラピスにお願いして、温泉を出したぐらいです。」

と説明した。


「なんて便利な子・・・一家に1人は欲しいねwww」

とサチーさん。


「うう・・・、確かに便利過ぎる。カイト君が居れば、相当な状況でも何とかなりそうな気になるよねww」

とドロスさん。


すると、フェリンシアとステファニーさん、からガバッと抱き、

「「あげないからね!!(あげへんで!!)」」

と言っていたw




今度は2階に上がり、

「ここが、入浴後の休憩ルームになります。」

と案内した。



「いやぁ~、これは本当に素晴らしい。これ、人さえ揃えば、明日からだって営業出来るよね?」

とドロスさん。


「ええ、でもそれが一番大変なんですよね。一応接客の訓練とか色々あるし。」

と海渡が言うと、


「そうか、私も少し探してみておいてやるよ! 人が見つかったら連絡するね。」

とサチーさん。


「そうですか、では宜しくお願いしますね!」

と2人にお願いしておいた。



笑っちゃうのは、結局この後、エルフ3人は、

「「「よし、一番風呂だーー!」」」

と再度、入浴。


結局、海渡とフェリンシアも、また入る事にしたのだった。

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