第237話

「久々に2人だし、一緒に入りましょうか!」

とフェリンシアが脱衣所でサクッと服を脱ぐ。


え? と海渡は思ったのだが、今更恥ずかしがるのも何か変だと思い、

「ああ、そうだね。」

と同意した。

うむ・・・決してやましい気持ちの欠片も無いからね?


ほら、僕6歳児だし・・・ね。 と心の中で言い聞かせつつ、海渡も裸になって、風呂場へと入って行く。


「何か、海渡と一緒に入るのは、久しぶりだね❤」

とフェリンシアさんは、嬉しそう。


あ、フェリンシアさん、ご成長されたんですね・・・。

ちょっと目のやり場に困ってしまいますが。

と、内心軽く冷や汗をかく海渡。



「じゃあ、最初は私が洗ってあげるね。洗いっこしましょうよ♪ 最近はちゃんと自分で洗えるし、子供を洗ってあげたり出来る様になったんですよ?」

と自慢気なフェリンシアさん。


「あ、そうか前は俺が洗ってあげてたもんねぇw」

と納得する海渡。


フェリンシアは、石鹸でタオルを泡立てて、背中を丁寧に洗ってくれた。


落ち着けーー!俺!!! 相手は成長されたとは言え、一応10歳で中身はフェンリルだから!!

と無心になろうとする海渡。 俺はロリコンでは決してない!(キリッ


すると、天然なのか、養殖なのかは知らないが、いきなり背中から肩越しに顔をグイっと出して来て、海渡の横顔を覗き込むように、


「ねえ、気持ちいい?気持ち良いでしょ?」

と美少女のフェリンシアが聞いて来た。


わぁーーー!顔近いから!! しかも背中に何か、小さくツンツンと2つ当たってるからーーー!!!

と心の中で悲鳴を上げる海渡。


平静を装いつつ、

「ああ、気持ち良いよ!上手になったね!!」

と褒める海渡。


「でしょ!?」

と鼻歌交じりで自慢気なフェリンシアさん。


首、肩、腕を洗って、前に回り込んで来たーーー!

「ありがとう、前は自分で洗うから。じゃあ、今度は俺がフェリンシアの背中を洗ってあげるね!」

と言うと、やや不満気なフェリンシアさんだった。


「じゃあ、洗うよーー」

と背中をゴシゴシと洗い、腕も洗い、

「じゃあ、後は自分で洗おうね!」

と切り上げると、


「えーー!? 前は洗ってくれないんですか? 前はしてくれましたよね?」

と成長期のフェリンシアさん。


「ああ、みんな自分で洗える様になったら、前は自分で洗うものなんだよ?」

と何とか説得すると、


「ああ・・・海渡が冷たくなってしまいました・・・。私・・・グレてしまいそうです・・・」

とガーーンとした表情のフェリンシアを横目に、そそくさと自分の前を洗って、流し、頭を洗う。


ちょっと、罪悪感半端ないから、その表情止めてーーー!と心の中で叫びつつ、

「じゃあ、頭を洗ってあげるよ! フェリンシアは自分で前を洗ってね!」

と頭に石鹸を付けて、頭皮をマッサージするように洗ってあげる。


すると、うっとりした表情で、

「ああぁ~ 気持ち良いですぅ~❤」

と甘い声を上げるフェリンシアさん。


いや、ほんっとに勘弁して下さい。



ドッと疲れつつ、泡を流して、湯船に浸かる。


「ああ、やっぱりラピスの湯は最高だな♪」

とノビノビする海渡。


横でフェリンシアもノビノビしている。

「ところでさ、フェリンシアって誕生日っていつなの?」

と聞くと、


「えー?判らないですね。気付くと毎年1つ歳を取ってるから・・・」

と曖昧な返事。


「うーん、そうか、フェンリルは余り意識しない物なのかな。」

と何となく理解。


「そう言えば、海渡は先日誕生日で一応体は6歳になったって言ってましたよね。前に比べて少し背が伸びたみたいですね。髪の毛も大分伸びちゃいましたね。」

と海渡の前髪をサワサワと触りながら近寄って来るフェリンシア。


「ああ、そういえば、こっちに来てから全然気にしてなかったけど、髪の毛、随分切ってないね。元の世界だと1ヶ月に1回ぐらい切りに行ってたんだけどなぁ・・・」

と海渡が言うと、


「へーー!元の世界・・・日本でしたか? そこでは、外の店で切って貰う物なんですね?」

とフェリンシア。


「こっちの世界って、みんなどうやってるだろう? 明らかに自分で切って変な髪型になった人とか見かけないなぁ・・・。どっかで切って貰ってるのかな? 今度オスカーさんかヨーコさんに聞いてみようっと。」

と海渡が独り言を呟く。


「あ、人化してるから忘れてたけど、そう言えば、私も冬の前には生え替わる感じだったんだけど、この髪の毛は、生え替わらないんですね。不思議w」

と言っていた。


「ああ、そうか!フェリンシアも普通は冬の毛が生えるだよね? 今ってどうなってるの?」

と聞くと、


「ちょっと元に戻ってみますか!」

とフェリンシアがフェンリル・モードにチェンジ!


ザッパァーと、一気に湯船のお湯が流れ出る。


「あ、デカいwww フェリンシア前よりも、かなり大きくなったね?」

と言うと、


「ほんとだーーw わーーい!」

と喜ぶフェリンシア。


更に、

「何かいつの間にか、冬の毛に生え替わってますねw」

と言っていた。


フェリンシアが人化モードに変わると、お湯が一気に減ったので、上がる事にした。


フェリンシアさん、四つん這いになってお尻こっちに向けている時に、いきなり人化するの止めて貰えますか?

心臓に悪いから!!! と心の中で絶叫する海渡であった。

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