第209話
『智恵子さん、この地下に2階層ぐらい追加しても大丈夫かな?』
と聞くと、
『まあ、それより、今の階層を広くしちゃったほうが、楽だと思いますよ?』
とナイスなアイディア。
『ああ、そうだったねw どうせ、こんな地下を掘る奴は、俺ぐらいだろうし、ガンガン部屋増やすかwww 日本でも地下50m以下は土地の所有権って無かったような記憶あるし』
『地下帝国でも築きますかww』
と智恵子さんが笑ってた。
海渡は、第一地下工房の反対側に120m×120mの巨大な地下工房を作り、第二地下工房も同じ様に120m×120mの工房を作成した。
そこに、王都型と同じサイズの屋敷を建てて行った。更に温泉も王都型とトリスター型を作成。
土魔法のレベルが上がった事で、更に作業が楽に早くなったのは幸いだった。
昼食後、1時間程店長候補と他数名に操縦講習を受けさせ、パイロットスキルを生えさせて、飛行訓練をさせた。
飛行機を自在に飛ばせるようになった彼らは、大喜びで自主練と言う名の遊びをしていた。
流石に、飛行機で鬼ごっこを始めた時は、止めて叱ったよ!
その後、フェリンシアと避難民キャンプや貧民街を廻り、働く気の有る子供や幼い孤児等、仕事の無い若い男性女性、シングルマザーやシングルファーザー等を集め、当初の計画を実行に移した。
結果、新に子供を含め、34名が増える事となった。(12歳未満の子供14名、他20名)
夕方前に、教会に寄って女神様にご挨拶。
『女神様』
「海渡さんもフェリンシアさんも、色々頑張ってますね。いつもみていますよ。」
「こんにちは。女神様。いつもありがとうございます。」
と海渡。
「こんにちは。先日は良いスキルを頂き、ありがとうございました。」
とフェリンシア。
「フェリンシアさんも、完全にスキルを物にしたようですね。感心ですw」
と女神様。
「女神様、最近私の周りのスキルや学習能力の飛躍が凄いのですが、これも女神様の恩恵でしょうか?」
と薄々感じている疑問を聞いてみる海渡。
「ええ、女神の加護の影響が、海渡さんの頑張りの度合いによって、ドンドン周囲に良い影響を及ぼすのですよ。」
と女神様。
「なるほど、そういう事だったのですか! 納得しました。ありがとうございます!」
と海渡。
「それは、そうと、この体ですが、あまりサイズが成長しないのですが・・・まさかこのままと言う事はないですよね? 誕生日とかってどうなっているのでしょうか?」
といつまでも成長した気がしない事を聞いてみると、
「ああ、まあこの世界に慣れるまでは成長より、順応の方をメインで成長する様にしてますから、そろそろ体の方の成長が飛躍的に伸びると思います。
海渡さんの寿命は遺伝子操作で一般の人間よりも長いので、16歳ぐらいからの成長はややスピードが遅くなります。
20歳ぐらいになると、更に緩やかになりますね。
まあ、エルフに近い成長スピードとなります。寿命はエルフより長いですがね。
誕生日は元の世界と同じ、12月の5日ですよ。」
「えーーー! 俺って人間でなくなったんですか?」
と驚く海渡。
「いえ、ちゃんと人族ではありますよ? ほら、ステータスを見れば判る通り、人族(+α)って書いてあるでしょ? この+αが肝なのですよww
それに私やラピスさんの加護もありますからねw」
と嬉しそうな女神様。
「まあ、色々楽しく色んな事をやってみてくださいよ。せっかく何でも出来る世界なんですから。
あ、あと幾つか先に言って置く事があります。
まず、ラステン領、ジェイラス領、ドエイヤ領の領主は要注意です。
これらはエリンガと同じ状態で深刻な状況になりつつあります。先にやっつけた方が良いと思います。
行けば、大体同じ様な事が起きる筈ですから。」
と不穏な情報・・・。
「わぁ・・・またですか。まったく困ったもんですね。」
と『うへー』な顔をする海渡。
「あと、まだ危機的状況まではかなり猶予がるけど、危ない領主は、トスゲド、ラスマニア、ギュート、グレッセン、グリス、ドゲラオ、ラリス、サスケード、ハリセンです。ここも要注意です。」
更に
「ゲルハルト帝国ですが、そろそろ動きがありそうですね。来年の1月下旬までに、ワンスロット王国とコーデリア王国に再度進行してくる気で居るようです。」
と更に不穏なニュース。
「あー、それって、ワンスロット王国とコーデリア王国の国王様に伝えちゃっても良いですかね?」
と聞くと、
「ええ、伝えて、両国でサクッとやっつけちゃってください。と言うか、海渡さんが、サクッとやっちゃった方が早そうですけどね。ゲルハルト帝国の宮殿をサクッと壊滅させれば、直ぐに収拾しますよ?」
と過激なご意見。
「ううう・・・それは検討します。」
と海渡。
「そろそろ、時間ですね・・・。ああ、ユグドラシルの木の実が500年振り実がなって、12月25日に食べごろになります。採りに行って下さいね。美味しいですよーー。効能も凄いですし~~」
と尻切れトンボに祭壇の前に戻って来た。
「あ、戻った。フェリンシア、ユグドラシルの実って美味しいの?」
と聞くと、
「お母さんには聞いた事あるけど、私はまだ食べた事ないんですよ。美味しいって言ってました。何か凄い効果もあるらしいですよ。25日、取りに行きましょうねww」
と嬉しそうなフェリンシア。
「うん、何があっても行こうww」
と心に決める海渡。
孤児院の方へと向かい、子供らやセーラさんに逢い、
「お久しぶりです。御変わりないですか? 今日もお土産持ってきましたよ。美味しい野菜が沢山あります。あ、お肉もねw」
と言うと、子供らが『お肉』の部分で大喜び。
「野菜も美味しいのにww」と笑いながら独り言を言う海渡。
「お久しぶりです。お陰様で、ちゃんとみんな1日3食食べて、元気に過ごしてますよ! ちょっと園長呼んで来ますね!」
とセーラさんが駆け出して行く。
「お久しぶりです。カイトさん。いつもありがとうございます。」
とナスターシャさん。
「この所、彼方此方に飛び回っていて、なかなか顔を出せずに申し訳ないです。」
と海渡。
「いえいえ、いつも商会の方から定期的にご寄付頂いて、色々支援頂いております。お陰様で、みんなも不安無く過ごせております。
あ、そうそう、あのカイトさんから、貰った教材、凄いですね!! 子供らが1日も掛からず、文字を覚えてしまって、計算も1日で覚えてしまいました。
あの掛け算って言うのも凄いです!!」
とお褒めの言葉を頂いた。
「お役にたてたようで、何よりです。今日は美味しいテリラス産の野菜とお肉持ってきましたので、移し替えて下さい。」
と言うと、ナスターシャさんが喜んでくれた。
そして少しだけ、近況を話して、孤児院を出たのであった。
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