第195話
外に出て、悪しき名残の屋敷をサクッと消して(収納して)、気分スッキリ。
フェリンシアと教会経由で視察と言う名の観光に出かける事とした。
塩の問題が解決し、体調不良者が居なくなった事で、メインストリートは活気に溢れている。
フェリンシアと2人で歩いていると、テリラスと同様に、所々で挨拶されたり、お礼を言われたりした。
会釈したり、挨拶しつつ、通り過ぎるのだが、時々屋台や商店のおっちゃんから、「昨日はありがとよ!これ持っていけ!」
と渡されたりする。
そして、目的地の教会へと辿り着き、2人は礼拝堂に入る。
シスターが挨拶してきて、
「ちょっと、女神様にご挨拶したら、孤児院の事でお話しありますので、園長さんに逢わせていただけますか?」
とお願いしておく。
そして祭壇の前で跪き、『女神様・・・』と女神様の元へと飛ぶ。
「お二人とも、昨日はお疲れ様でした。良い出会いもあったようで何よりです。」
と女神様。
2人で挨拶し、海渡がコーヒーのお礼を言う。
「女神様、コーヒーありがとうございました。 あれ凄い勢いで成長してますww」
「ふふふ、味も海渡さん好みに調節してありますよw」
なるほど、味も補償付きかww と喜ぶ海渡。
「ありがとうございます。後でこちらの孤児院の園長とお会いする予定でおります。ここの卒業生が居れば、また雇う予定でおります。」
「そうですか、ここには28名12歳以上が居ますね。やはり仕事が見つからず、困っている様子です。宜しくお願いしますね。」
「はい、勿論です。」
と答える。
「それはそうと、問題は次のエリンガ伯爵ですね。
かなり時間が掛かりそうですが、色々な悪事の証拠の書類が伯爵の屋敷の書斎の隠し金庫と、地下牢に幽閉されてる有能な人材が居ます。
更に被害にあっている女性も隠し部屋に幽閉されてますね。早目に潰して助け出して下さいね。」
と女神様。
「幽閉されてる人が居るんですか!
了解しました。今日明日でここにケリをつけて、早々に出発する様にします。」
と海渡が意気込む。
「では、そろそろ時間ですね。またエリンガの教会で遭いましょう。」
と言う声と共に、祭壇の前へと戻る。
後ろに控えたシスターが・・・跪いていた。
うん、このパターンも、もう慣れたよ。
しれっとして、
「シスター、園長さんの所へご案内お願い出来ますか?」
と聞くと、
「はい、使徒様」
と颯爽と先導を開始してくれた。
もう面倒なので、これはこのままスルーする事にする。
横を見ると、気持ちを察したフェリンシアが、声を出さずに苦笑してる。
園長室で、一応口止めをお願いし、卒業生の受け入れと、食料の支援や寄付を行った。
やはりと言うか、ここの孤児院もテリラス程ではないが、財政的に厳しかったらしい。
「お陰様で、これで当分の間は、子供達にひもじい想いをさせないで済みます。
ありがとうございます。」
と園長さんが喜んでいた。
その後、場所を食堂へと移し、卒業生28名に引き合わせて貰った。
いつものように、自己紹介をして、
「良ければ、さえじま商会で働きませんか?」
と聞くと、28名は大喜び。
やはり、働き口が見つからず、途方に暮れていたそうな。
海渡は、アイテムバッグ等を全員に渡し、今日の午後、一度店の方へ来るようにとお願いして、孤児院を後にしたのだった。
行き掛けとは別のルートを散策しつつ宿舎へ戻り、ヨーコさんに孤児院の28名の話をする。
「じゃあ、ここはカフェも早目にオープン出来そうですね。温泉はどうするんですか?」
と聞いてきた。
「昼に親子7組がやって来るから、調理スタッフと託児ルーム側とカフェに割り振っても人数行けるかな?トリスターのカフェって接客は何名だっけ?」
と聞くと、
「トリスターは連日ハードなので人を増やし、現在12名で回してますね。あと、スイーツ部隊も人数増員して、現在25名ですねw」
「じゃあ、ここもそんな感じで、温泉よりカフェを優先して、人員を割り振りしよう。温泉は人員が揃い次第、オープンって感じで行こうね。」
更に、
「あと、親子組と孤児院組が来て、顔合わせが終わったら、速攻で調理スキル実習して、その後俺とフェリンシアは今日一足先にエリンガに向かうよ。
何か幽閉されてる人とか居るらしいから、早目に救援しないとマズイ見たいだし。」
と状況を説明する。
「あらあら・・・忙しいですね。」
とヨーコさん。
「なので、申し訳ないけど、ヨーコさん、明後日までここで調節してくれる?
託児施設は、多分今日明日で上がると思うから、それを設置して、更に向うが解決してからヨーコさんをピックアップする感じにする。」
と言うと、
「了解しました。でも気を付けて下さいね。」
と心配してくれた。
昼になると、親子と孤児院組が到着する。
早速先に昼食をみんなで取ってから、希望者に調理スキル実習を行う。
参加者全員にスキルが生えた後、後の采配をお願いして、西門の外に出た。
「ふぅ~。何かバタバタになっちゃったね。あまり観光出来なかったな・・・」
とボヤキながら、滑走路と、管制タワーと格納庫を設置する。
魔動波ビーコンをONにして、2号機に乗り、エリンガへと飛び立った。
時刻は午後3時過ぎであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます