第171話


トリスターの屋敷に戻った海渡は、新しい魔法陣や魔道具の登録の為に魔道具ギルドへ向かった。


受付嬢に、

「サンドラ居ますかね?面会したいのですが。」

とギルドカードを渡すと、


「あ!カイトさんですね? お世話になっております。

ギルドマスターですね。聞いてきます!」

と席を立つ。


「ああ、ちょっと、ギルドマスターではなく、サブ・マスターのサンドラさんですが。」

と釘を刺す。(あの嫌ったらしいボーナムなんぞに用はねぇ!!)


「ああ、今はサンドラさんが、ギルドマスターになられたんですよ。これもカイトさんの功績大ですよ!」

と。


「なんと、じゃあ、ボーナムなんちゃらは?」

と聞くと・・・。


「ああ、アレは投獄され、その後は知りませんww」

と受付嬢が笑ってたw


「そうなんですかw そりゃあ、めでたいwww」

とほくそ笑んだ。


すぐに、戻って来た受付嬢に案内され、ギルドマスターの部屋へと通される。

「やあ、お久しぶりです。ギルドマスター就任おめでとうございます!!」

と部屋に入ると、


「おお!カイト君!! いやぁ~お陰様でねw ボーナムはドラーツ公爵の処分と一緒に消えて逝ったよw

まあそれが無くても、君の魔道具の功績で、詰んでたんだけどねww ドラーツ公爵の一件と合わせ、どちらも君のお陰だよw」

と明るく迎えてくれた。


「それで、今日は?」

と聞かれ、


「かなり増えたので、新しい魔道具や魔法陣の登録に来ました。」

と答えると、


「ほう、どんなのを作ったんだい?」

と興味深々のサンドラさん。


そこで、作成した魔道具を紹介していく。

・撮影ドローン

・時空共有倉庫

・リバーシ製造機

・上白紙製造機

・上白紙カット機

・メモ帳製造機

・厚紙製造機

・紙箱製造機

・転写印刷機

・リバーシ・デラックスバージョン製造機

・排水浄化機

・マジックロッカー

・水晶ディスプレイ

・ガラス・ディスプレイ

・航空機レーダー

・魔動CPU

・魔動レジスター

・コインカウンター

・コイン排出機

・魔動エレベーター


「魔道具としては、ざっとこんな感じで、中に入っているのは複数の魔法陣だったり、色々ですね。」

すると、滅茶滅茶食いついて来たのが、ガラス・ディスプレイ、魔動CPU、魔動レジスター、魔動エレベーターだった。

なので、そこを更に説明すると、


「いやぁ~驚いた。500年分は驚いたよ。

魔動CPUって発想が凄いね。それがあれば、相当な物も結構楽に作れちゃうんじゃないの?」


「はい、実際、魔動レジスターと魔動エレベーターにはそれが組み込まれてますからね。

魔動レジスターは今日から店で稼働してます。魔動エレベーターは今朝作って実働実験したばかりですがねw

作っておいて言うのも何ですが、魔動CPUは便利ですよ!」

と答えた。


全部の魔法陣や魔道具を登録し終えると、

「そうそう、君のランクが上がったので、ギルドカードを交換しないといけないんだった。貸してくれる?」

とサンドラさん。


「ほう!実績で上がるとは聞いてましたが、もう上がるんですかw 嬉しいなww」

と海渡。


そして、秘書の人が海渡の新しいギルドカードを持ってくる・・・。

「あれ?黒? それってもしかして??」


「ああ、御察しの通り、SSランクだよww おめでとう!!」

と満面の笑みで差し出すサンドラさん。


戸惑いながら受け取り、

「えーー!? いきなりですか? FからSSなんて飛んじゃって良いですか?」

と聞くと、


「いや、実績に照らし合わすと、SSの枠さえ圧倒的に越えてるよねw」

とサンドラさん。


サンドラさんの説明によると、魔道具自体の販売台数によってロイヤリティが、功績と加算されるが、魔道具を用いて生産された物もロイヤリティこそ発生せず、そもそもその実例がなかったのだが、生産物の売り上げも、少しだけ実績に加算されらしい。


で、うちの製品の大半と言うかほぼ、魔道具によるライン生産品が多く、それが無くても通信機だけでSSランクが決定していたらしい。


この先もドンドン増えるだろうから、当分SSランクは固定だろうとの話だった。


カードを受け取りつつ、血を1滴垂らして、初期化しながら、

「なるほど、そう考えると、納得なのか?」

と海渡。


「さて、これで全登録も終わったし、ギルドマスター就任祝いに、何か食べたいコーデリアの食べ物ってありますか?」

と聞くと、


「何があるんだ!!!」

と迫って来るサンドラさん。


「まあ、落ち着いて下さい。 そうですね・・・寿司、お好み焼き、ラーメン、蕎麦、うどん、うな重、刺身、海鮮丼、天丼、あとは、屋台で買った色々な物とか・・・あ、あとウニ丼もありますね。」

と言うと、


「うな重と寿司が食べたい!!!」

と大興奮。


「じゃあ・・・」

と次々に並べてみた・・・寿司、お好み焼き、うな重、冷奴、そして海鮮味噌汁。

サンドラさんは、大喜びで、ガツガツ食べてました。


「しかし、サンドラさん、良く長年、あの美味しい食事から離れて、我慢出来ましたね? 僕には無理ですよ。」

としみじみ言うと、


涙ながらに、

「だよね・・・ここ40年ぐらいは夢に毎日出てたよ。」と。


「じゃあ、帰ろうとか思わなかったんですか?」

と聞くと、


「食い物はともかく、この町も好きだからな。」


「なるほど、それはそれで判ります。僕もこの町が好きですね。まあ食べ物はコーデリア王国がダントツですけどww」

と答えた。


更に、

「前に上げたマジックバッグは時間停止が付いてるので、少し分けておきましょうか? 行く度に補給してるし。」

と言うと、


「本当に良いのか?」

と大喜び。


寿司は10人前、うな重10人前、うどん、ラーメン、蕎麦は5人前、天丼10人前、ウニ丼10人前・・・と次々に出して収納してもらった。


「また次の機会に渡しますよw」

と言ってギルドを後にしたのだった。

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