第153話


1つ予定が片付いて、気分も軽く、フェリンシアと教会へと向かう。



そして礼拝堂にて・・・『女神様・・・』


「ああ、海渡さん、フェリンシアさん、いらっやい!」

と女神様。


「どうも。お陰様で何とか王都支店の開店に漕ぎるける事が出来ました。」

とお礼を言う。


「そうですか、お役に立って良かったです。」


「あと、アレスター商会の屋敷跡地ですが、あそこを、シングルマザー向けの託児施設や、孤児向けの宿泊労働支援施設的な物にしたいと思ってるんですが、どうでしょうかね?」

と相談してみた。


「良いと思いますよ? きっと色々定着していって、王国全体に良い影響を与える事になると思います。」


「だと良いのですが、少なくとも、幼く生きて行く手段を持ってない子供が、路頭に迷う事が少なくなれば・・・とは思ってます。そして、文字や計算を覚え、ちゃんと働く事の出来る大人になってくれれば、良いなぁと。」


「また人材等で困った際には、是非相談に来て下さいね。」


「ありがとうございます。」


「フェリンシアさん、いつも海渡さんと一緒に居てくれてありがとうね。 2人が仲良く冒険してる姿はいつも拝見してますよ。」


「はい、女神様。海渡と一緒に居ると、楽しい事や美味しい事が多くて、とても楽しい毎日を送ってます。」


「ふふふ、仲が良くて良いわねぇw じゃあ、忙しそうだし、また近々に来て下さいね・・・」

と、礼拝堂に戻って来た。



孤児院の方へ赴き、司祭長のセイジさんと面会する。


「こんにちは。その後如何ですか? 何か孤児院の方で困った事はありませんか?」

と孤児院の様子を聞いてみる。


「ええ、お陰様で沢山の寄付を頂き、逼迫していた他の都市の孤児院の方へも配分出来ました。これで少し安心する事が出来ました。ありがとうございます。」


「そうですか、それを聞いて私も安心しました。明日は一旦トリスターの領主様を送って、一旦トリスターに行きますが、明後日が王都の店舗オープンなので、またそのままトンボ返りで戻って来る予定です。

ご紹介頂いた、孤児院の子達は、半分がトリスター支店で、現在研修中でして、研修が終わり次第、こちらに戻って来る予定です。」

と子供達の現在を報告する。


「子供らから、聞いております。何でも大層良い待遇で、凄く立派なお風呂や食堂付きの宿舎まで用意して頂いたと、大喜びしておりました。本当に色々とありがとうございます。」


「改善出来る様に、色々と動いているのですが、この所トリスターの方でも、人員増員しても追いつかない程のお客様で、対応が後手になってしまってまして。

だから出来るだけ、無理な状況が続かないように、必死に増員しています。

宿舎やなんかは、その待遇改善の一旦なのです。まだまだですよ。」

と、なかなかブラック色から、抜け出せない商会の現状を憂う海渡。


更に、

「陛下に頂いていた、アレスター商会(デニッチ)の屋敷が、店舗の真裏だったので、敷地を統合し、空いた跡地の利用方法を考えてまして・・・」

と、シングルマザー向けの託児施設や、孤児向けの宿泊労働支援施設的な物を作る事や、大衆浴場を作る事を考案中と伝える。


「まあ、その時は色々ご相談させて頂くかと思いますが、何卒宜しくお願い致します。」

と頭を下げる。


「ほう!託児施設ですか!! なるほど、その発想はありませんでした。

それは素晴らしい。

実際に働こうにも幼い子を抱えていると、働けず、困窮していく親子が多いのです。孤児の中にはそういった親に捨てられた子も、かなり居ましてね。

何かご協力出来る事があれば、大した事は出来ませんが、全面的にお手伝いさせて頂きますので、何でもご相談下さい。」

とセイジさんが言ってくれた。


「そうでしか、それは心強いです。やはりノウハウとかの面で、実際に孤児院を運営されてる方のご意見は貴重ですから、助かります。」

とお礼を言って、教会を後にしたのだった。



その夜は、久々にアルマー別邸でアルマーさんのご家族と一緒に夕食を食べたのだが、盛大にリーファさんら姉妹から、

「全然一緒に遊びに行けなかった・・・」

と文句を言われてしまった。


いやいや、こっちは仕事で来てるんだからね? と言いたかったが、一応謝っておいた。

(しかし、これから各地を飛び回る事になるからなぁ・・・ これからも厳しいんだよねw)



夕食後、風呂から上がって、部屋に戻り、やっとマッタリとしながら、明日の予定を考えていたのだが・・・

明日戻ったら・・・あ! カフェのオープンってどうなってたっけ?


焦ってヨーコさんに電話をする。

「ヨーコさん、業務時間外で申し訳ないのだけど、トリスターのカフェのオープンって、何時だっけ?」と聞く。

「ああ、一応私もこっちに来ちゃってますから、一応、来週からと言う事にしております。」

との事。


「来週・・・明々後日か!!」と。


「はい・・・そうなっちゃいますね。なので、一応早々に戻るべきかとは思っているんですがね。」

との事。


「そうか・・・じゃあ、ヨーコさん、一旦明日戻る? まあ、最悪、ゲートで戻るって手もあるんだけどね。」


「そうですね・・・やっぱり2時間半とは言え、時間勿体ないですもんね。ゲートでお願いして良いですか?」


「了解。じゃあ、ゲートでサクッと行き来する事にしようかww

それで、何時にする?」


「じゃあ、こちらの店舗のオープン初日を見守って、その日の夜とかでも良いでしょうか?」


「了解! オスカーさんにも、もし向うに用事あるなら、送迎すると伝えておいてね。」


と言う事で、通信を終えました。 よし、これで少し解決?


そして少し安心して、眠りにつくのであった。

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