第129話
前方の3mぐらいはコクピット、残り17m中、リヤのハッチの切り上がりが3mあるので、実質の居住空間は14m 1座席+空間を1mとすると、14列。
後部にトイレを左右に付けるなら、13列。通路を考えると、1列3名かなぁ 乗客は39名か。
ちょっと半端だが、良しとしよう。
で、このフレームのモックアップからどうやって、トレント繊維+ガチコンブ樹脂・・・名付けTFGか? で成型するか・・・だが・・・。
通常であれば、雌型を作り手張りでパーツパーツを作ったりして張り合わせたりするんだけど、その工程では量産がキツイので、もっと簡単に出来る3Dプリンタ的な物やなんかを検討した結果、グラスの作成で使ったコピーを改変して、TFGで形成して効果させる事を考えつく。
つまり、光シールドで完成体の雌型を作りそこにトレント繊維と樹脂を流し込んで、鋳造していく様なイメージね。
その場合の問題は、巨大な2機分(コピー元エリアと製造エリア)のスペースを確保しないとダメと言う事。
この地下工房でも、流石にちょっと邪魔になりそうだし、どうするかなぁ・・・と。
考えた結果、コピー元データを水晶記憶体に入れて、それを使って本体を作成させる方法を思いついた!
と言う事で、超巨大な魔道具を2つ作る事にしました。
1つはコピー元のデータを水晶記憶体に入る専用。(所謂3Dスキャナーみたいな魔道具ね。)
もう1つは、水晶記憶体のデータを基にTFGで形成と硬化までさせる物。
素材は贅沢だけど、ミスリルで作成。
コピー元の方は簡単で、水晶記憶体のデータ入れるだけ。
ケースの作成の方が時間掛かって、流石に20分掛かった。
魔法陣まで入れて25分。
同じ様にTFG形成側のケースを作成し、これにトレント繊維を入れるスロットと、ガチコンブ樹脂のタンクの取り付け口と、聖水(ラピスの泉の水)のタンクの取り付け口、あとは、マギ鉱石のタンクの取り付け口を付ける。
光魔法のシールドで作った雌型にトレント繊維を充填して、ガチコンブ樹脂、聖水、マギ鉱石粉末の配合比率は、3リットル:3リットル:50gで攪拌した液を浸透させて充填する感じ。
更に200℃で1時間芯まで熱を入れてカチカチにする。1分で1時間の時空間魔法を組み込む。
魔法陣を描き込んで・・・っと。
『知恵子さん、これ、魔石何個必要かな?』
『以前に比べ付与や錬金等のレベルも上がっているので、効率が良くなってますから、オークぐらいの魔石1個で10機分ですかね。』
『ほう、そんなに行けるか。じゃあ予備を1個追加して魔石2個にして置けば、大丈夫そうだね。』
『ですね。』
と言う事で、データを入れてある水晶記憶体を取り付け、本番機体のプロトタイプの機体、製造開始!
巨大な魔道具が動きだす。3分で焼きに入り、1分後で焼きがまで終わり、魔道具が停止する。
魔道具から、巨大な黒い機体が出て来る。
「ほーー!カーボンみたいに黒くなるだね。しかもマギ粉末のせいで、黒ラメみたいに怪しく光ってらっしゃるし。カッコいいじゃないか!!!」
予想以上の出来栄えに、大きくガッツポーズ。
コクピット用の風防をや、乗客用の窓ガラスを作成して、上の製造部のコピー機で同じ物を30機分作って貰って・・・その間に魔動ジェットエンジンをミスリルで作成するつもりだったが・・・。
「ジェットエンジンと言うと、どう考えても高温になるから金属の一択のように思えるが・・・待てよ?」
と首を傾げる。
『ねえ、これってさ、魔動ジェットエンジンもTFGで作ったら、どうなる?』
『そうですね、確かにミスリルより硬くて、マギ鉱石の粉末のお陰で元々魔力特性が良かったトレント繊維にガチコンブ樹脂や聖水の効果で、ミスリルの魔法効果が100とした場合、TFGだと300ぐらいの効果になりそうです。』
『えwww それって既に凄くない? チート素材過ぎるねwwww』
『はい、女神様お気に入りのラノベ設定の世界ですからw』
「と言う事で、ミスリル製のエンジンもTFGにしちゃいます!!!」
と胸を張る海渡。
効率上がったなら、エンジン直径はプロトタイプと同じでも十分か?
いや、小さくてちょっとカッコ悪いな。
と言う事で、直径50cmから直径80にして、若干長めにした。うむ。悪くはない。
エンジン角度調節シャフト付きの魔動ジェットエンジンのコピーデータを取って、今度は製造。
エンジンは2分で製造完了。更に1個。
エンジンを機体に接続し、大分形になったな。
製造部に風防や乗客用の窓ガラスを貰いに行って、降りようとしたら、夕食時間だった。
そして、食堂に行くと口の周りにチョコを付けた、フェリンシアが戻って来ていた。
「ああ、お帰り!!! 良かった無事に帰って来てくれて。その口の周りを見ると、バッチリ採取出来たみたいだね?」
と言うと、慌ててクリーンを掛けてましたwww
実アイテムバックに移して貰ったが、1個がデカイ事デカイ事。大き目のビーチボールサイズ?
これで、カフェの成功は間違いないな。
夕食後、ホットチョコレートミルクを作って、みんなに配ると、またしても絶叫がw(主に女性陣)
ヨーコさんが、
「これは是非ともカフェに入れるべきです!!!!」
と迫ってきました。
「まあ、そのつもりではあるんだけど、そうすると、人員的な問題で、大丈夫かな?」
と聞くと、青い顔をしてました。
だよねぇ・・・売れる予感しかしないよね。そうなると・・・。
食後の勉強会では、2~5の段の小テストをやって、5~7の段の覚え方を教えて終了。
ビックリしたのは、全員小テスト100点だよ!
そこで、
「みんな頑張ってくれてるようだし、九九が全部終わってテストが100点の人は、賞金のボーナス上げますね。」
と言うと、みんなヤル気が更に上がって、ワイワイ言っていた。
そのあと、フェリンシアに一言断りを入れて、気になる機体製造の続きを再開する。
エルロン、フラップ、スポイラー、エレベータ、ラダー部分のモックアップを作成し、TFGで製造。
ヒンジ部分を作成し翼に作ったエルロン、フラップ、スポイラー、エレベータ、ラダーを接合。
魔動サーボとも接続した。
風防や窓ガラスをはめ込み接着。
後部ハッチのモックアップを作り、TFGで製造して取り付けた。
乗客用のシートフレームを作成し、TFGで製造。
コクピット周り、操縦系統を一気に作成する。
パイロットは2名で操縦出来るように、左右にモノスティックを作り、両方が連動するようにした。
ここまでで、午後10時20分。
フト見ると、枕を抱えたフェリンシアが地下工房に来ていた。
「寝ないの?」と。
ああ、今日は1人で頑張ってくれたのに、寂しい思いさせちゃったか・・・と反省。
「ごめん、迎えに来てくれたんだね。ありがとう。」
と、作りかけの機体に後ろ髪を引かれつつ、フェリンシアと共に地下工房を後にした。
風呂に入って、少しフェリンシアから今日の冒険談を聞きながら、眠りに落ちたのだった。
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一部判りづらい部分を修正しました。
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