第125話

「えっと、足し算は出来るかな? 2+2はいくつ?」


「4ですね。」


「うん、それって2が2つあるから4だよね? じゃあ2+2+2は幾つ?


「えっと、4と2だから 6?」


「うん、そうだよ。合ってるよ。 2+2+2は2を3回足した訳だよね?

 じゃあ、この九九表を見てごらん。 横の一番上に、1~9まで数字があって、縦にも1~9まで数字があるよね?」


「「「「「はい。」」」」」


「上の1~9 が 2 の所をみて、縦が 何回足すか を表してるの。

 だたから2+2+2 は2を3回足してるから、横が2の所をみて縦が3の所を見てごらん。」


「6って書いてある!!!!」


「そう、これが掛け算。 じゃあ 3+3+3+3 3を4回足してる訳だから?」


「「「「「12!!」」」」」


「そうだね。だから例えば このレシピで言うと 卵黄3個 これを3倍って事は 3回足すって意味だから・・・」


「あ、9個だ!」


「そうそう、そうやって計算を早く出来るんだよ。 今度から毎日少しずつ教える時間も作るようにするね。1ヵ月もしないで、凄く計算が早くなるよ。」

と言うと、全員大喜び。


 と言うことで、取り合えず、各自カスタードクリーム作って。


「「「「「出来ました!」」」」」


「どれどれ。うん、良いね 次・・・あちょっと火が強すぎたみたいだね。俺のと味を比べてごらん。ほら違い判るでしょ? じゃあ次 これは最初の混ぜ方が足りなかったね。こことか固まってるよね・・・(ry」


「じゃあ、もう一度、出来た人も失敗した人もやってみて」


「うん、みんな覚えるの早いね。 コツを忘れないように、ちゃんと各自で注意事項とかメモしていてね。 じゃあ次はシューを作るね。・・・(ry」


「さあ、じゃあ各自で生地を作って焼いてみようか・・・(ry」


「出来たシューにさっきのカスタードクリームを入れてます。強く入れすぎるとシューが破れたり、はみ出したりするから気を付けてね・・・(ry」


「みんな、これでシュークリームは覚えたね。このカスタードクリームは他のメニューでも使えるんだよ。・・・(ry」


 おっと、もう昼食だね。午後からもやるからね と食堂へ。


 昼食時に掛け算の話をヨーコさんにして、

「夕食後30分 時間外手当付けて良いので、みんなで勉強会やりませんか?」

と提案。


 是非!!!!!と凄い食いつきで了承された。

 電卓の魔道具作ったら、売れるかな?


 さて、特訓午後の部


「次はアイスクリームの作り方を・・・(ry」


「今度はイチゴアイスの・・・(ry」


「プリンの作り方を・・・(ry」


「さっきの卵白でメレンゲクッキーを・・・(ry」


「生クリームを・・・(ry」


「今度はフルーツタルトを・・・(ry」


「スポンジケーキの作り方を・・・(ry」


 ≪ピロリン♪ スキル:料理Lv4を取得しました。≫


 特訓1日目が終わり、

「かなり詰め込んだけど、今日はどうだった?」

と聞いたら、


「面白かったです。でもお腹一杯wwww」

と全員笑った。


「まああまり食べ過ぎると、病気になるから気を付けてね。」

と一応注意。


「何回も作ってみて、各自同じ味で毎回出来るようになってね。仲間のと食べ比べたりして。あと練習で作った分は、他のスタッフにも分けてあげてねw まだまだいろんな種類があるから、頑張って覚えてね!」



 なんか夕食の時、一日中スイートな環境に居たせいか、体から甘い匂いがしてるせいか、フェリンシアがクンクンしながら寄ってきた。

 夜寝てる間に食べられないか心配です・・・。


 夕食時、ヨーコさんが、掛け算の話をみんなにすると、ビックリするぐらいみんなノリノリでした。

 驚く事にダスティンさん(ここに越してきたので)さえも。


「じゃあ、明日からだね」

と部屋に戻ろうとしたら、


 ヨーコさんにガッチリ両肩を掴まれて、

「いえ、今夜からお願いします!」と。


 後ろで他のみんなもキラキラした目で見られちゃった。


 この世界のみんなって勤勉だねぇ。 それとも知識に飢えてるのかな?


 今日の昼間にやった九九の基礎を30分教え、みんな目から鱗の様な顔をしていた。


 ≪ピロリン♪ 新しい称号:異世界からの算数教師 を取得しました。≫


「明日から日本式の九九の覚え方を教えるからね。」と言ったら、更にキラキラした目で見られちゃった。


 みんな勤勉だよね・・・

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