第108話

 そうこうしてる間に時刻はそろそろ午後5時。


 そろそろラインを止めて、と準備を開始してたら、サンドラさんがお見えになってます と報告が入る。


 なので、応接室へダスティンと向かう。

 海渡は内心ニヤニヤしていたww 


 急な呼び出し しかも意味深な伝言 で、やや興奮気味のサンドラさんに挨拶し、まずは2通の手紙を渡す、黒い笑みの海渡。


「何だいこの手紙は? あ・・・」

と封を破って、中身をバッと取り出して速読するサンドラさん。


 読みながら少しプルプルしだす。

 更にもう一通・・・

 読み終えて、ガっとこちらを見て、食いつきそうな勢いで、

「つ、つまり、君はこの数日でコーデリア王国へ行ったと? サチーや兄上に合ったと?? そう言う事なのか!!!!」


 ちょっと、唾飛んでるから!!!

「まあ、落ち着いて下さい。」

と、横の床に、米俵、酒樽、醤油樽を出して見せると、


「うぉーーーー!」と叫び、酒樽を抱きしめた!


 おーーい、米俵じゃなく、酒樽かーーい! と心の中で突っ込む海渡。


 それを悪戯をし返した感じの顔で、ニヤニヤと見るダスティンさん。

 ふふふ、イケメンは黒い笑みもお似合いでw


 ついでに、焼きお握りを皿にだすと ガバッっと瞬時に掴み食べ始める。

 豚汁のお椀を出して、箸も出して、天ぷらを出してやる。


 ああ、やっぱり泣くんだねwww


 本日号泣エルフ2人目。


 更に、2人の前に、寿司を2人前出してあげると、ニヤニヤ笑ってたダスティンも、また目の色を変えて、ガッついてました。


 お好み焼きを出すと、食べ終わった後に、青海苔を歯につけたまま、ニカっと笑顔を見せていたw


 と言う事で、お二人には、ちゃんと戦利品を別けて上げました。

 2人には散々お礼を言われました。

 今夜は2人でお酒で宴会だそうです。


「ほどほどにしといてね」

と一応は注意したけど、無理だろうなぁww


 なんか、この世界のエルフって、本当に面白いよね。ラノベでよくある神経質でプライドが高く、取っ付きにくい ってイメージが、丸っきり無いよね。

 耳が尖がってなければ、そこらのオヤジみたいなゴッツイおっちゃんエルフも居るし。


 夕食の時間になり、御呼びが掛かったので、みんなでお食事。

 なんか、色々作ったりしたけど、一番の達成感が、エルフ2名の喜んだ姿だったな。

 夕食時にみんなが揃うこの食堂だが、みんな良い顔で、楽し気にご飯をたべている。この先もこの楽しい笑顔の溢れる食卓を持てる様にしないとな・・・と心に思う海渡であった。


 あ・・・そうだった・・・明日は、宿舎を増やさないとだったな・・・。


 夕食後、また地下工房に戻り、

「ガラス板を作るラインを製造しとかないとね。」

と呟き、作業に入る。


 コピー機と同じ様に鉱石をスロープから取り込んで自動抽出した液化ガラスで指定したサイズのガラスを製造する様にし、

 出来たガラスはベルトコンベアーで排出され、大き目の木箱に入る仕組みにした。


 しかし、ガラス板製造機は大物も作れるように、かなりデカイサイズにしたので、スペース的に地下1階の製造部門では厳しそうな気配・・・。


「ここはひとつ、地下1階を拡張するしかないか・・・。」

と諦め、地下1階の拡張工事をしました。


 地下2階と同様に補強に補強を重ね、頑強に拡張エリアを作成。

 これで地盤沈下も落盤も無いはず。


 空気清浄機とエアコンを増やし、照明を増やして、今までの2倍のエリアにした。


 そして、ガラス板製造機を新しいエリアに設置して、今夜の残業は終了。


 風呂に入り、ノンビリと充実感と解放感を味わいながら、お湯に浸かる。


 色々あったけど、色んな人の笑顔も見れたし良い一日だったな。

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